就職活動に取り組む中で「書類選考をなかなか通過出来ない」と悩む人は多いでしょう。
一般的に就職活動における書類選考の通過率は30%程度と言われています。既卒での就職活動や、転職活動における書類選考の通過率はこれより下がることもあります。
ここでは書類選考が通らない理由と通るためのポイントを解説していきます。
書類選考を突破しなければ内定はおろか、面接にさえ辿り着くことは出来ません。以下を参考に採用担当者の目に魅力的に映る書類を作成できるようにしましょう。
なぜ書類選考を突破できないのか 通らない理由
ここでは書類選考で不採用となってしまう理由を3つ挙げ、解説していきます。
書類選考の場合、当然ながら書類に記載した内容だけで合否の判断が行われてしまいます。言葉で直接伝えることが出来ない分、より慎重に内容を吟味し、記入を進めていく必要があるのです。
書類の作成が不十分だったために面接に進めないようなことがあってはもったいないです。以下を参考に書類選考での減点を極力受けないよう、対策を講じておくようにしましょう。
- 履歴書・職務経歴書の内容が甘い
- 職歴・学歴で判断されている
- 書類が読みづらい
1、履歴書・職務経歴書の内容が甘い
履歴書・職務経歴書の内容が練り上げられていないと、書類選考を通過することが困難になります。
履歴書・職務経歴書には学歴や職歴はもちろん、自己PRや志望動機、長所・短所に至るまでさまざまな事項を記入することになります。
これらの内容を練り上げられていない状態で述べてしまうと、自身の魅力・スキルを採用担当者に伝えることが出来なくなってしまいます。
書類選考においては、採用担当者は書類の完成度によって応募者を評価します。
そのため「とりあえず書く」のではなく、しっかりと各項目についてブラッシュアップを行った上で記入を進めることが重要になるのです。
既卒の方は、ニート・既卒の空白期間がある履歴書の書き方、職歴なしの職務経歴書の書き方も参考にされてください。
2、職歴・学歴で判断されている
書類選考で不採用となってしまう場合、職歴・学歴で判断されてしまっていることも考えられます。
今日において、学歴・職歴だけで応募者を判断し、不採用とする企業はほとんどありません。
企業は自社で活躍してくれる人材を確保するために採用活動を行っているのであり、学歴や職歴だけで人材を評価し、その結果、本当に優秀な人材を見逃してしまうようなことをするわけにはいかないのです。
しかし難関大学出身ということは、受験勉強で努力した証拠であり、それゆえ努力家だということも出来ます。一流企業出身ということは、高いポテンシャルを有している可能性があると考えることも出来るのです。
このような考え方から、書類選考の際に応募者を判断する材料の一つとして、職歴・学歴を用いる企業もあるのです。
特に職歴がない方は、空白期間を理由にお断りされているケースも多いです。まずは自身のスキルやキャリアが書類選考に不利な影響を与えていないか確認するようにしましょう。
3、書類が読みづらい
書類選考で不採用となってしまう理由の3つ目として、書類が読みづらくなっていることが挙げられます。
「出来るだけ多くのことをアピールしたい」と思い、限られたスペースの中にびっしりと記入しようとする人がいます。
しかし細かな字でびっしりと記入された書類は、読み手に取って非常に読みにくいものです。場合によっては、「相手への配慮が出来ないのかな」と思われてしまい、減点を招いてしまう恐れがあるのです。
一方、記述量が少なく空白を多く残してしまうのもNGです。
空白の多いまま書類を提出してしまうと、「アピールする気がない」と判断されてしまう恐れがあるのです。
書類を作成する際には、読みやすいサイズの文字で空白の部分を適度に埋めるよう記入を進めることが重要です。
「書類選考通過に向けた5つのポイント」
では、書類選考に通過するためにはどのような点を意識し、書類の作成を行うべきなのでしょうか。
ここでは書類選考通過に向けた5つのポイントをそれぞれ解説していきます。
書類選考は内定への道のりにおける最初の関門です。
この関門を無事に突破し、内定に向けて前進していくことが出来るよう、以下のポイントをしっかりと押さえ、採用担当者に好感を与える書類を作成できるようにしましょう。
- 求める人物像を把握しておく
- 志望動機をブラッシュアップする
- 自己PRを練り上げる
- 好印象を与える写真を添付する
- 情報収集をしっかりと行う
1、求める人物像を把握しておく
書類選考を通過するためのポイントの1つ目は、企業が求める人物像を把握しておくことが挙げられます。
企業は優れたスキルを持っているのであれば、どのような人材でも採用したいと思うのではありません。
自社で活かすことの出来るスキルを有しており、自社の社風に合った人材を採用したいと考えているのです。そのため多くの企業では募集要項などで求める人物像を公開しています。
企業が求める人物像を把握し、それに沿って書類の作成を進めることで、自身のスキル、人間性が企業の求めるものと合致していることを示すことが出来ます。
それにより、採用担当者に対して「自身が貴社において活躍できる」ということを効果的にアピールすることが可能になるのです。
「志望動機をブラッシュアップする」
書類選考を通過するためのポイントの2つ目は、志望動機のブラッシュアップに注力することです。
「貴社の企業理念に共感したから」など、表面だけを取り繕ったような志望動機はNGです。
企業は応募者の志望度を測るために志望動機を質問しています。本当に入社したいと思うのであれば、あれこれ考えを巡らせ、志望動機を少しでも良いものにしようとするものです。
そのため表面だけを取り繕ったような志望動機を作成してしまうと、「自社の志望度が高いわけではないのだな」と判断されてしまう恐れがあるのです。
志望動機を作成する際には、企業についてしっかりと調べ、それらの情報を活かして志望動機をブラッシュアップするようにしましょう。
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「自己PRを練り上げる」
書類選考を通過するためのポイントの3つ目は、自己PRの練り上げを行うことです。
多くの企業では書類選考を面接の前段階で実施しています。そのため書類選考には「足切り」という意味合いがあるのです。
書類選考においては合否の判断材料の一つとしてその応募者のスキル・ポテンシャル面が重要視されています。
そのため、十分に練り上げられていない自己PRを述べてしまうと、しっかりと自身の強みをアピールすることが出来ず、それが決め手となり不採用となってしまうことがあるのです。
書類選考を突破するためには自己PRの練り上げが不可欠だと言えるのです。自己分析を入念に行い、エピソードを交えつつ自身の強みを効果的に伝えるようにしましょう。
「好印象を与える写真を添付する」
書類選考を通過するためのポイントの4つ目は、採用担当者に好印象を与える写真を履歴書に添付することです。
その時、暗い印象を与える顔写真を見て、良い印象を持つ採用担当者はいません。好印象を与える写真を添付するに越したことはないのです。
書類選考における写真を撮る際、写真館で撮影する人と証明写真機で撮る人がいるでしょう。写真の出来栄えは写真館で撮影したほうが良いと言えるでしょう。
しかし証明写真機ではNGというわけではありません。証明写真機で撮影する際、膝に白色のハンカチを置くことで写真の印象を明るいものにすることが可能になります。
そのような工夫を行い、その上で誠実な印象を与える写真を撮影するようにしましょう。
「情報収集をしっかりと行う」
書類選考を通過するためのポイントの5つ目は、企業についての情報収集をしっかりと行うことです。
上述の通り、自己PRを記述する際にも、企業の求める人物像を把握していることで、より自身の強みを効果的に採用担当者に伝えることが可能になります。
また志望動機を作成する際には、より多くの企業の情報を仕入れておくことで、志望動機の内容を濃いものにすることが出来ます。
本当に志望度が高いのであれば、HPで調べればすぐに分かるような知識だけでなく、さまざまな方法を駆使して企業の情報を集めようとするものです。
そのため情報収集をしっかりと行うことで、自身の志望度の高さを採用担当者にアピールすることが可能になるのです。
志望動機の例文+ポイント
では、ここからは書類選考の中で特に苦手意識を持つ人の多い「志望動機」について例文を混じえてポイントを解説していきます。
以下を参考に、志望動機の作成を進めてみてください。
私は年次に関わらず主張していくことが求められる風土が根付いている点に魅力を感じ、貴社を志望しています。
私は学生時代の経験と前職での経験から、トップダウンの色合いの濃い職場よりもボトムアップの色合いの濃い環境で働くことで、活き活きと仕事に打ち込むことが出来ると考えています。
貴社では年次に関わらず企画書を役員に発表する機会が設けられている等、自ら考え、行動することが推奨されており、その点に魅力を感じています。
貴社において積極的に自身の考えを述べていくことで、チーム全体、企業全体を活性化させ、それにより貴社に貢献していきたいと考えております。
POINTこの例文では企業研究に成果が上手く練り込まれており、その点がポイントになります。
「年次に関わらず企画書を役員に発表する機会が設けられている」など企業分析で得た情報を上手く志望動機に絡ませており、それにより効果的に自身の志望度の高さをアピールすることが出来ています。
また「ボトムアップの色合いの濃い環境で働きたい」という自身の企業選びの軸も明示されており、その点も良いと言えるでしょう。
志望動機を作成する際には企業選びの軸を明らかにし、その軸と企業が合致していることを企業研究の成果を交えて述べることが重要になるのです。
面接前にも手を抜かないことが大事
「面接でしっかりアピールするから大丈夫」と書類選考を軽視してはいけません。
書類選考を突破できなければ面接にすらたどり着けないことがほとんどなのです。確率的には、10社に応募しても、そのうちの3社しか書類選考を通過出来ないことになります。
そのため面接対策も重要ですが、まずは書類選考への対策に注力することが大切だと言うことが出来るのです。
志望している企業において、面接にすら進めずに不採用となってしまったら、後悔の気持ちが残ってしまうものでしょう。
そのようなことの無いよう、ここまでの内容をしっかりと把握し、万全の態勢で書類選考に臨むようにしましょう。