この記事では、既卒(ニート・職歴がない人・フリーターなど)の志望動機の考え方について解説します。
はじめに結論です。
既卒が企業に応募する時には、志望動機を3種類用意しなければなりません。
①「なぜ正社員になろうと思ったのか」
②「なぜ該当職種・業種を選んだのか」
③「なぜこの会社を選んだのか?」
以上の3つをしっかり考え抜きましょう。
自分では書けないという方や、何度応募しても書類選考で落とされるという方は、30代・20代無職向けの就職エージェントを利用して一緒に考えてもらうのもおすすめです。
【30代・20代】フリーター向けの就職(転職)サイト【正社員】
編集部この記事では、既卒(職歴なし・フリーター・ニートなど)が就職活動をするときの注意点と、登録必須の転職サイトをご紹介します。 紹介するフリーター就職媒体 ①転職エージェント 【30歳 ...
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前回までのあらすじ
大学在学中に映像制作を始め、プロになるため大学卒業後も就職せずに活動をする。30歳で夢を諦め就職活動を行う。3ヶ月間転職サイトを利用し面接を受けるも、不採用の結果が続く。
職歴なし体験談比較 木下・井上
ニート・フリーターの正社員志望動機
今回は木下の「就職活動3ヶ月目〜4ヶ月目」です。
前回、履歴書と職務経歴書の書き方にこだわったこと、また今月から気になった企業にはとにかく応募するという方法に変えたことで、面接に呼ばれる機会も徐々に増えてきました。
今まではオファーやスカウトなど受け身の就職も多く、自身で検索して応募する場合も、企業が求人を出してからかなりの時間が経過していました。
しかし各求人サイトの更新日を曜日毎に細かく分類し、それらを毎日チェックしたことで、企業が求人を出した朝の段階で応募ができるようになりました。
すると面接のお知らせが届くようになったのです。
まだ応募が1通、もしくはあまり届いてない状態なので、企業側も様子見段階。とりあえず面接に来てもらおうと考える企業が多かったのかもしれません。
そして、この時最も意識したのが志望動機です。
書類選考はなんとか通るようになったものの、面接で自分の考えを述べれば述べる程、面接官との距離が大きくなるように感じていました。
これはつまり志望動機=応募先企業への思いが伝わっていないからです。
どこでもいいから正社員として採用されたいと考えていたので、当然といえば当然の結果ですが、相手が納得いくよう志望動機を練り直す必要がありました。
そこで気づいたのが、志望動機には3種類あるということです。
「正社員への志望動機」「業種・職種の志望動機」「会社への志望動機」の3つです。
既卒には3種類の志望動機が必要
1、職歴なし、フリーターの正社員志望動機
1つ目は既卒の正社員志望動機です。
そもそも30歳まで職歴がないのですから「何故今更正社員として働こうと思ったのか」と企業が疑問に思うのは当然で、ここを納得のいくよう説明しなければなりません。
木下は自分に問いただし、正直に「生活していくため」と結論付け、そのように話しました。
POINT何故正社員として働くのか。
それは大半の方は「生活費を稼ぐため」「お金が必要だから」「安定したいから」でしょう。
ネガティブな理由なので避ける方もおられますが、これ自体は問題ありません。
それも全うな理由ですし、30歳になって今更「働くことの楽しさに気付いた」と言った所で「今まで何を考えていたんだ」と思われるのがオチです。
ただしこのように話す場合も、今まで何をしていたのかは大きな問題です。
「ずっと遊んでいた」「ずっとサボっていた」のに、「お金のために働く必要がある」と語っても、やる気が見られませんし、どうしても「すぐに辞めるのでは?」「働けるのか?」と懸念されてしまいます。
つまり理由の他にも「働けること」や「今まで職に就けなかったこと」を説明する必要があります。
資格取得を目指していた方や、夢を追っていた方、病気を患っていた方や、家族を介護する必要があった方も、それをしっかり話すことで働けることが説明できます。
ただし注意点として現在そこに重点を置く必要がなくなったと付け加えることが大切です。
木下の場合はアルバイトをたくさんやっていましたし、映画監督の夢を諦めての正社員志望だったので、それがそのまま働けることの説明になりました。
2、業種・職種の志望動機
2つ目が業種・職種に対する志望動機です。
木下がこの時期応募し面接に呼ばれた企業に、結婚式の映像撮影の仕事がありました。
業種は違えど、今まで映画監督になる夢を追いかけていた木下にとって映像はとても身近なものであり、興味がわく内容です。
今までやってきたことと関連づけて説明することが、業種・職種の志望動機につながりました。
POINT職歴がないのですから「なぜその仕事をやりたいと思ったのか」の説明が必要です。
学校やアルバイト、勉強してきた内容等とその業務が関連するなら、そこに接点を作り志望動機とするのが最も自然で有効な方法です。
共通点がない場合は、何故数ある求人募集の中からその仕事を選んだのかをまずは考えてみましょう。
するとほとんどの方は「少なからず興味が湧いた」か「楽そうだから」という理由です。
興味が湧いた方はその気持ちをそのまま話すことが志望動機になります。
楽そうだからと考えた方は、そのまま伝えてはネガティブな理由になってしまいます。
ただ「楽そう」とは言い換えれば「向いている」とも考えられます。
例えば工場のライン作業のような仕事は、あまりコミュニケーション能力も必要としませんし、一定時間言われたことをやり続ける仕事ですから、楽そうと言えば楽そうです。
ただ同じことを黙々とこなすのは誰にでも出来る仕事ではありません。
営業のように色んなお客さんと接して、日々イレギュラーなことが起こる仕事の方が楽しいと考える方も多く、ライン作業の方が辛いと感じる方は多いのです。
つまり楽そうと考えるのは「向いている」からなのです。
志望動機は必ずしも「やってみたいから」とは限りません。中途採用は即戦力を期待するので「向いている」方が志望動機の説得力として強いのです。
勿論何故向いていると思うのかを具体的なエピソードを交えて説明する必要があります。
3、会社への志望動機 徹底的に自分と企業の相性を考える
3つ目が会社への志望動機です。
「何故この会社じゃないと駄目なのか」
どの面接でもかならず聞かれる内容であり、一番の難問とも言えました。
なぜなら「何処でもいいから採用してほしい!御社は中小企業だからその確率も高いと思いました!」が本音だったからです。
それほど志しが低い者もいないでしょうが、業種職種の選択理由は説明できても、「なぜ同業他社では駄目なのか?」については説明できない方がほとんどです。
全く思い浮かばなかった木下は逆の視点、つまり「企業はどのような人材が欲しいのか」を徹底的に考えるようにしました。
「頭が切れる人物」
「高いスキルを持っている人物」
「コミュニケーション能力が高い人物」
「長く働いてくれる人物」
「将来重要なポストを任せられる人物」
「空いた穴をすぐに埋めてくれる」
「人手不足でどんな人物でも欲しい」・・・
いくらでもありますが結局これらは「会社に利益をもたらす人物」です。
これはどの企業において共通の価値観といえるでしょう。
「会社に利益をもたらす人物」→「今後どのように利益をあげていこうと考えているのか」=「会社独自の考え」
つまり企業がどのような人材が欲しいのかは会社の考えにスポットを当てることであり、その考えに共感できる部分が自分の志望動機にもなると考えたのです。
同じ業界であればやっている業務にそれ程大きな違いはありません。いえ、違いは少しくらいあるでしょうが、それは面接段階では見えないもの。
ですが「考え方」については、どんな会社であれ「よそと違う考えを持って経営している」と思っています。
「会社が今どんなことをやっているのか」ではなく「どんな考えで会社を躍進していこうとしているのか」。
そのような目線でホームページの企業概要を見たり、求人概要を読み込むことで、企業の考えを深く知ることができ、会社への志望動機を完成させることができたのです。
POINT会社理念には「どの分野が強いか」「どこが他と違うのか」など特化している事業に触れていることもあるので、そこを志望動機にしても構いません。
もしその会社の社長や従業員に共感が湧いたのなら、「人」を志望動機理由にするのも良いでしょう。
会社に対する志望動機を説得力あるものにするためには、会社理念と募集要項をよく読み込むことです。
会社理念を読んでも抽象的なことしか書かれておらず志望動機が思い浮かばないという方は、既卒向けの転職エージェントの利用も有効です。
転職エージェントなら会社の内部事情を教えてもらうことも可能ですし、聞いた内容を志望動機にすることもできるので、より自然な回答が可能になります。
また志望動機や履歴書の添削も行ってくれるので、選考が通らない方は一度利用するとよいでしょう。
木下・井上の就活比較
ほぼ同条件で、同時期に就職活動を始めた木下と井上。
結局は4ヶ月たった今回も内定には届かなかった木下でしたが、今までのように面接を受けてる途中に「不採用か・・・」と感じることはなくなりました。
手応えも感じるようになってきました。
最初の面接は緊張しかなかったのが、自分の中でパターンを増やす事ができ、楽しめるようなってきたのも大きいでしょう。面接でのやり取りも自然なものとなり、好印象を与えることにも慣れてきました。
志望動機は、一度練ったらある程度代替がきくのでテンプレ化してしまいがち。ただもう一度企業側の立場になって練り直す作業が有効だとこの時気付きました。
前回同様、今月も就職活動に必要な基礎体力が備わってきました。
大学在学中に映像制作を始め、プロになるため大学卒業後も就職せずに活動をする。30歳で夢を諦め就職活動を行う。4ヶ月間転職サイトを利用し面接を受けるも不採用の結果が続く。
中学卒業後から音楽に明け暮れ、プロのミュージシャンになるためバンド活動を行う。28歳で夢を諦め就職活動を行う。アルバイトをしながらハローワークで就活を行う。教習場に通う。
職歴なし体験談比較 木下・井上
職歴なしの就職活動の進め方