あなたは「楽な仕事」と聞くと、どのようなものを想像するでしょうか?
「拘束時間が少ない仕事」でしょうか?「人と関わることがない仕事」でしょうか?それとも、「同じ単純作業を繰り返すような仕事」でしょうか?
そう、「楽な仕事」と言っても、受け取る人によって「楽かどうか」は大きく変わります。
仕事には「精神的に楽な仕事」と「肉体的に楽な仕事」、また「給料や待遇はいまいちだが楽な仕事」があるのです。
今回はこの色々なタイプの「楽な仕事の見つけ方」についてお話しさせていただきます。
「楽な仕事は本当にないのか」「精神的に楽な仕事と体力的に楽な仕事」「楽な仕事の将来性」「比較的楽な職業・業界」について触れていきますので、是非ご覧ください。
楽な仕事は本当にないのか
今まできつい労働を課せらていた方や、働くのが怖い方、初めて就職をするニートの方等で、特にやりたい仕事がない場合できるだけ楽な仕事に従事したいと思う方は多いでしょう。
世の中では「仕事に楽なものなんてない」という方は多いです。しかし必ずしもそうとは限りません。これは考え方の問題であり「自分にとっての楽な仕事」なら存在するのです。
例えばコミュニケーション能力に自信がなく人と一緒にいると疲れるという方は、人とたくさん関わる仕事はしんどいですが、黙々とこなす作業なら比較的楽にこなすことができます。
体力的には疲れるかもしれませんが、精神的には楽であり、結果「自分にとっての楽な仕事」と言えるでしょう。
逆に人と関わることが好きな方にとっては、一人黙々とこなす作業は辛くしんどい仕事であり、体力的にも精神的にも辛い仕事となります。
つまり適正の問題であり、どこに比重を当てるかによって変わります。ですからあなたにとっての楽な仕事は他の人には当てはまりませんが、存在はするのです。
あなたにとっての楽な職業・業界 精神的に楽な仕事と体力的に楽な仕事
以下では、比較的楽な仕事と世間で言われている仕事をご紹介させていただきますが、その前に楽な仕事の条件を決めておきましょう。
楽な仕事の条件
比較的人と関わらない仕事
拘束時間が短い・残業が少ない・休みが多い仕事
体力的に楽な仕事
ノルマのない仕事
これから紹介する仕事は上記のいずれかに当てはまる仕事です。
比較的人と関わらない仕事
ライン工 工場作業
ライン作業は人とあまり関わらない仕事とよく取り上げられる仕事で、ベルトコンベアから流れてくる製品を加工したり梱包していくのが主な業務です。
食品会社や機械工場、自動車工場などに多く、組み立て式のラインや機械に不具合がないかをチェックする検査のライン、仕分けなどのラインがあります。
作業自体は単純なものなので、1日もあれば仕事を覚えられるでしょう。
単純作業を黙々と8時間程度繰り返すので、それが苦痛に感じない方はおすすめですが、単純作業を永遠に繰り返すのが苦手な方にとっては発狂しそうになるという方も多くおられます。
また自動車関係のライン作業は重い物を扱うので体力的にきついですし、機械関係のライン作業は細かい作業をするので目を酷使します。集中力が必要です。
働いている方の大半はパートや派遣の方が多く、正社員として働くとなると管理する立場になるので、人と関わることも増え、対人ストレスも多くなります。
人と関わらないを前提にライン作業をするなら、あくまでバイトや派遣と考えておく方が無難でしょう。
倉庫内作業 ピッキング
倉庫から商品を取り出す作業でピッキング作業というものがあります。amazonの倉庫を想像していただくと分かりやすいと思いますが、お客様から注文があった商品を伝票を元に倉庫から探して集めてくる作業です。
ピッキングという仕事自体は探すことのみに従事するのですが、会社によっては商品の仕入れや検品、ラベル貼り、梱包なども作業に含まれる場合もあります。
パレットに積む作業やトラックに荷物を積み込む作業などもあるので、体力はそれなりに必要です。またエアコンのきかない倉庫や、ききすぎて寒い倉庫もあるので、水分補給や防寒対策は必須でしょう。
こちらもライン作業同様に、正社員の場合は倉庫をまとめる主任となったり、管理する側になります。
清掃員 ビル清掃・ハウスクリーニング
清掃員も人とあまり関わらない仕事の1つです。
ビルや公共施設、学校などを清掃する仕事と個人宅を掃除する仕事が主な仕事です。未経験でも正社員に就けることが多く、年齢層も比較的高めなので、ニートの方や職歴がない方にとってもおすすめです。
覚えることは多いものの、一度覚えれば繰り返しがきく作業ですので、仕事の難易度は高くありません。
また少人数で現場にいくことが多く、作業は黙々とできるので、一度慣れていまえばそれほど対人ストレスもないでしょう。但し少人数でのチームワークは必要です。
年末になると繁忙期に入るので忙しくなること、他の仕事に比べ年収がやや低いのがネックです。
配達・配送員・トラック運転手・ポスティング
配達や配送、トラックの運転手なども人と関わるのが少ない仕事の一つです。移動手段の運転に時間がかかるので、一人で仕事をしたい方にはおすすめです。
ただし長距離トラックの運転手以外は、時間に追われるというデメリットもあります。時間内に終わらなければいけない業務や、時間指定がある配達も多いので、てきぱきと仕事をこなす必要があるでしょう。
また繁忙期になると残業があったり、労働時間が長い仕事も多いので体力が必要です。未経験が応募できる仕事の中では比較的給料も高く設定されていますが、拘束時間が長い仕事が多いのがネックです。
マンション管理人
マンション管理人も楽な仕事の1つと言われています。
管理するマンションに住んで管理業務を行う仕事と、朝9時〜夕方5時のように定時に出勤して管理するという仕事の2形態があります。
居住者の対応、訪問者の対応、掃除、点検などが主な仕事内容です。
住人からのクレームに対応しなければいけない為、対人でのストレスは大きいですが、やることは単純作業であり、暇な時間も多いので肉体的には楽な仕事と言えるでしょう。
常駐警備員
1号業務の警備員はショッピングセンターや百貨店など商業施設、駐車場、金融期間、学校などを警備する常駐警備員です。
主な業務は防災監視や、巡回業務、受付業務、鍵の管理、不審者がいないかモニターチェックなど多岐に渡りますが、基本的には犯罪や事故を未然に防ぐのが仕事です。
一日交代制が多く、丸24時間勤務(休憩あり)が一般的です。例えば朝7時〜翌朝まで7時まで勤務し、翌日の朝7時に再び出勤します。
夜間の警備は特に楽と言われており、モニターチェックはあるものの、基本それ以外は数回の巡回程度しかやることがないので、自由な時間を過ごすという方も多くおられます。
会社によっては一人で警備にあたる可能性もあるので、対人ストレスがなく精神的に楽な仕事と言えるでしょう。但し給料についてはそれ程高くありません。
拘束時間が短い仕事
私の元職場は、貿易関係ということもありましたが、早朝出勤や深夜残業は当たり前。休日も仕事を会社や自宅で行うほど、拘束時間が多いものでした。そのため、なかには精神的に重度のストレスを抱えてダウンしてしまう人が何人もいたほどです。
そのため、経験上、精神的に楽をしたいのであれば、拘束時間の短い仕事を探すことをおすすめします。要は、月の平均残業時間がなるべく少ない仕事を探すというものです。
派遣社員や一般事務のような仕事であれば、ほとんどの会社では残業はありません。あったとしてもごくたまに繁忙期だけでしょう。
また所謂総合職の仕事でも、管理部門の仕事であれば、比較的残業は少ないです。
営業であっても、全ての営業が残業を強いられているわけではありません。営業時間内だけで仕事を完結させているところも多いですので、企業研究の際に、斯様な点も注意するようにしましょう。
暇な会社の事務員
事務職は会社での各種伝票処理や、会計処理、電話対応、書類作成などが主な仕事です。
事務職は会社によって当たり外れが大きく、忙しい所だと営業の仕事を手伝ったり、現場の仕事を手伝ったりと、仕事の幅がとても大きくなる為、残業も必要になります。
ただ比較的暇な会社や、しっかりした会社であれば残業はほとんどなく、与えられた仕事をこなせばゆとりをもった仕事ができます。
ただし元々事務職の競争率は高い上に、最近では事務を削減している企業も多いので、入社するのは容易ではありません。未経験で年齢をある程度重ねている場合は難しいでしょう。
事務職について詳しくは縁の下の力持ち!事務職の種類をご覧ください。
スクールバスの運転手
スクールバスの運転手は定時の仕事で残業も少ない為、拘束時間が短く精神的に楽な仕事と言えます。
幼稚園や保育園、場合によっては小学校の子供達の送り迎えが主な業務です。朝先生と一緒に子供を迎えに行き、園内で軽作業をして夕方になったら子供たちを家まで送ります。
子供の親御さんや先生とのやりとりも少なからずあるので、コミュニケーション能力は必要ですが、子供が好きな方ならうってつけの仕事です。
給料はそれ程高くありませんが、運転が好きな方、何よりも子供が好きな方には精神的に楽な仕事と言えるでしょう。
バスには小型と中型があり、中型の場合は大型1種免許が必要になります。
収集作業スタッフ ゴミ回収
一般業者に委託されているゴミ回収の正社員も残業が少なく定時までの仕事が多いです。
朝に出社して朝礼後、店や施設にゴミを回収しにいきます。午後になったら会社へ戻りゴミを仕分けて終了というのが一般的な流れです。
決められた作業を繰り返すだけなので、作業も難しくないですが、臭いが染み付くのがデメリットの1つです。
また2人1組で作業するタイプは、短距離間の回収が多く、一人が運転、一人が走ってトラックにゴミを入れていきます。その為、体力も必要になってくるでしょう。
中型自動車免許が必須の会社もあります。
精神的・肉体的に楽な仕事に就くなら、低収入の覚悟はマスト
給与もそこそこ、体力的にしんどくない、且つ精神的に楽な仕事というものは存在しません。もしあれば、収入としては低水準となるのは仕方がないでしょう。
そもそも給与とは、労働や責任に対する対価です。ハードな労働、重大な責任を担っている人であれば、高給なのは当たり前です。
ブラック企業は別として、重労働や責任重大な仕事の給与が安価なものであったらどうでしょう?労働者は集まりません。
ゆえに楽な仕事であれば、その分仕事量も、責任のボリュームもないはず。であれば、その対価として支給される給与は安価なものになってしまうのは当然と言えば当然なのです。
楽な仕事の見つけ方とは?
給与と労働・責任の関係についてお分かりいただけたでしょうか。
それを納得した上でも楽な仕事がしたい方は、それで問題ありません。理解しないままそのような仕事に従事し、後々現実とのギャップに苦しんでしまうことの方が問題なのです。
そこで、給与は安くても楽な仕事を見つけたい方は、是非これより挙げるポイントを参考にしてみてください。
責任範囲・程度を確認する
精神的に苦痛を強いられる状況とは、重度の責任やプレッシャーを与えられている時ではないでしょうか?
課せられる責任が大きければ、その分精神的に常に緊張や不安な状態が続いてしまいます。仕事内容は自身の好きなことでも、そのような状況であれば、楽しく仕事をすることは不可能でしょう。
ですから精神的に楽な仕事を見つける為には、如何に責任が重くないものを選ぶかがキーなのです。
例えば、営業職で仕事を探すにしてもそうです。
ノルマ達成がマストな会社と、ノルマの達成はそこまで重要ではない会社があれば、断然後者の方が精神的に楽です。また新規顧客ばかりの飛び込み営業型の仕事と、主に既存顧客を担当する仕事とでは、こちらも後者の方が精神的な苦痛は少ないですよね?
責任が全くない仕事というのは存在しません。しかしながら、責任の範囲や程度は千差万別である為、その点は自身で入社前に確認することで、好みのものを選ぶことは可能なのです。
企業の経営状況や安定性を確認する
いくら責任の程度や範囲、そして拘束時間が魅力的なものであっても、やはり最終的に絶対に気にしなければならないのは、企業の経営状況や安定性です。
企業の経営状況が不安定であれば、後々重労働や給与の不払い等々、予想外のトラブルが発生しかねません。
そうなれば、入社前には魅力的であった待遇や労働環境も一気に悪い方向に傾いてしまう為、結果として精神的に苦痛を強いられることになってしまうのです。
私のある友人は、経営状況や将来性に関する企業研究を怠ったがために、入社後予想外の重労働や給与未払い等の被害に遭ってしまいました。
いくら仕事内容等が精神的に楽なものであっても、このような環境下であれば、楽に感じることもできません。
企業の経営状況や安定性等は、事前に企業の経営レポートや就職サイト、ハローワーク等で簡単に確認できます。
寧ろ情報が全くない、確認するものが何も存在しないというような会社であれば、その企業への入社はリスクが大きすぎますので、控えた方が良いでしょう。
精神的に楽な仕事とは、人それぞれによって楽さの感じ方も様々ですので一概にこれとは言えませんが、基本的には仕事量や責任のボリュームが小さいものです。
そしてそんな仕事を探すのには、ポイントがあるのです。今回挙げたポイントはあくまで一例ではありますが、精神的に楽な仕事をお探しであれば、是非参考にしてみてくださいね。