転職活動を行う際、基本的には在職中に活動を始めるのが一般的です。しかし中には空白期間がある人も多くいることでしょう。
空白期間がある人の中には「空白期間は選考に不利に働く」と考え、不安に思っている人も多く存在しています。
ここでは就職活動において空白期間が不利に働くのか、空白期間をどのように採用担当者に伝えるべきなのか、を解説していきます。
空白期間がある人は多くいる
もちろん特に意味もなく空白期間が存在していたのであれば、あまり良い印象を持たれない可能性はあります。
しかし上述の通り、空白期間が生じてしまう人は意外なほど多く、しっかりと要点を押さえて説明することで、減点は防ぐことが出来るのです。
「空白期間を伝える際の注意点」
空白期間を伝える際、「その期間で何をしていたのか」「その期間でどのようなスキルを身につけたのか」を中心に述べるようにしましょう。
ただ何となく空白期間を過ごしていたということを伝えてしまうと、「目的意識をしっかりと持って、仕事に邁進する姿勢に欠けている」と判断され、マイナスの影響が出てしまう恐れがあるのです。
空白期間であれば、その時間を利用してさまざまな活動を行うことが可能になります。
その中で自らやるべきことを考え、それに向けて行動していくことが出来ていたのかを見られているのです。
面接における空白期間についての質問では、その質問を通じて仕事に対してどのように取り組むことが出来るのかを見られていることを理解しておくようにしましょう。
「ケース別の空白期間の伝え方」
空白期間の内容によって、伝えるべき内容には違いが出てきます。
ここでは空白期間について代表的な3つのケースを紹介し、それぞれに合わせた空白期間の伝え方を解説していきます。
以下を参考に採用担当者に好印象を与えられる伝え方を理解しておくようにしましょう。
「ケース① 「正社員職歴がなく、ずっとアルバイトをしていた場合」
空白期間の代表的なケースとして、正社員職歴がなく、ずっとアルバイトをしていた場合がまず挙げられます。
この場合、正社員として働くことを目指し、就職活動をしていたにもかかわらずアルバイト生活をずっと送っていたのであれば、その事実を謙虚に受け止める姿勢が重要になります。
「応募した企業が…」など企業のせいにしてしまうと印象が悪くなります。
自身の実力不足を認め、それを踏まえて今は前向きに就職活動を行っていることを述べることで、「自分をしっかりと理解できている」と採用担当者に好印象を与えることが可能になるのです。
またやりたいことがあり、それに関連するアルバイトをずっと続けていた場合には、その経験をしっかりとアピールするようにしましょう。
アルバイトとはいえ、社会の中で働くことに変わりはありません。
真剣に仕事に向き合ってきた中でさまざまなものを得ることになります。それらについて述べることで自己PRに繋げることが出来るのです。
既卒の空白期間がある履歴書の書き方も参考にされて下さい。
ケース② 「退職後無職期間が続いた場合」
退職後、無職期間が続いたケースもあるでしょう。
その場合にはその期間をどのように活用したのかを述べるようにしましょう。
企業で働いていると、まとまった時間を確保することはなかなか難しいです。そのためやろうと思っていることがあっても、手を出せないことが多々あります。
しかし退職後であればじっくりと時間をかけて物事に取り組むことが可能になります。その時間を用いて何をしたのかを述べることが重要になるのです。
「〇〇という仕事に従事したいと考え、そのための資格取得に費やしていました」と伝えることで、自己研鑽に励む姿勢をアピールすることが可能になります。
このように、自由な時間をただダラダラと過ごすのではなく、有意義に使おうとする姿勢があることを示すことが重要になるのです。
ケース③ 「やむを得ない事情がある場合」
やむを得ない事情があり、空白期間が生じるケースもあるでしょう。
身の回りの人の介護など、仕事との両立が困難になることもあります。そのような場合にはその事実を正直に述べるようにしましょう。
やむを得ない事情であるならば、それに対して企業も何も言ってこないことがほとんどです。
特に在宅介護は昨今増えてきており、それに伴う家庭への負担も社会問題となってきています。
そのようなセンシティブな事情について、企業もあれこれ詮索をするようなことはしないのです。
ただその中でも隙間時間を見つけ、自身のスキルアップを図っていたのであれば、その経験も述べたほうが良いでしょう。
それにより、「向上心が強い」ことを効果的にアピールすることが可能になるのです。
空白期間について嘘をつくのはNG
空白期間があると見栄えが悪いとおもい、履歴書に嘘の記載をしたり、面接で嘘をのべたりする人がたまにいます。空白期間について嘘をつくのはNGです。
もちろん嘘の空白期間について述べたとしても、バレない可能性もあります。しかし採用担当者は何十人もの応募者との面接の経験があります。そのため採用担当者は人を見る目が非常に肥えているのです。
安易な嘘はすぐに見破られてしまう可能性が高いです。
嘘がバレてしまうと、そのことにより採用担当者からの信用が一気に失われてしまいます。
それにより空白期間についてだけでなく、それまでの発言全ての真偽が疑われてしまう恐れもあるのです。そのことを考慮すると、嘘をつくのは賢明とは言えないのです。
空白期間における嘘のリスクについて
選考において嘘がバレなかったとしても、その後バレてしまう可能性もあります。
「選考さえ突破できれば」と考えるのはNGです。
内定獲得後であっても、空白期間における嘘がバレてしまうと経歴詐称をみなされ、最悪の場合、内定取消しとなってしまうのです。
企業は空白期間における経歴も含めてすべてを吟味した結果、合否を判断しています。そのためその判断材料に誤りがあったのであれば、公正な目で選考を行うことが出来なくなってしまうのです。
空白期間について嘘を述べることは、選考中はもちろん、内定期間中、入社後も含めて、自身にとっての負担としてのしかかってきます。
そのため、空白期間について嘘を述べることはデメリットの方がはるかに大きいと言えるのです。
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空白期間があること自体でマイナスの評価に繋がると考えている人もいます。
しかしここまで述べてきたように、空白期間があることだけで、即減点をする採用担当者はほとんどいません。
企業は優秀な人材を確保するために採用活動を行っているのであり、表面上だけを見て合否の判断を行うことはないのです。
空白期間があったとしても、その期間をどのように過ごしていたかをしっかりと述べることで、自身のアピールに繋げることが可能になります。
空白期間がある場合でも、それに負い目を感じるのではなく、それを活かして就職活動に臨むようにしましょう。