「面接で落ちるのは話下手だから…」
「口下手なので、面接で話せる自信がありません…」
こういった相談を受けることは、少なくありません。
就職活動中の学生だけでなく、転職希望の社会人やパート希望の主婦の方…。年代や性別に関係なく、実に多くの方が感じている悩みの一つです。
そんな皆様に、一企業の人事担当でキャリアコンサルタントの私からお伝えしたいことがあります。
無理に話上手になる必要は、ありません!
そもそも今は口や話が上手いだけの人が採用される時代ではないのです。
この記事の内容
「話下手の人が話以外で頑張る方法」「話下手を少し改善する事前準備・当日準備」「話下手でも採用される人」など、あなたが自分らしく面接に臨めるような対策を紹介していきます。
ご参考になれば幸いです。
口下手・話下手で不採用になることはありません
話下手という理由だけで不採用になることは、ありません。(※話すことが仕事であるアナウンサーや司会業などの場合は別です)
話下手はただの個性であり、あなたの人間性や実績に関係する事ではないからです。
身だしなみ・書類・能力・伝える力・気遣い・熱意の総合で採用を決めている
面接で採用担当者が見ているのは、あくまで「あなたの本質(能力・意欲)」。
そしてそれは話す内容だけでなく、あなたの身だしなみや事前に準備した書類等、総合的に見て判断しています。
採用担当者が面接でチェックしている項目
- 相手に不快感を与えない気遣いができているか?
- 身だしなみは整っているか?
- 一緒に働いてみたいか?
- 書類内容と言動に一貫性があるか?
- 論理的に話せているか?
- 自分の言葉で熱意を伝えているか?
- 質問に対する答えは的確か?
- 志望度は高いか?熱意はあるか?
最近の人事は応募者の「志望度・熱意」を重視している
上記チェック項目を見ていただくと分かる通り、「話が下手だから」という理由だけで不採用になることはありません。
話す力が必要な内容もありますが、他にも様々なチェックポイントがあるのです。
2019年の昨今は売り手市場ということもあり、応募者の「志望度・熱意」を重視する企業が増えています。
それは何も口から発する言葉だけでなく、丁寧に書いた履歴書や姿勢からも伝わるものです。
話上手を目指す前に、話以外に意識を向けて面接に挑んでください。
話下手の人でもできる、話以外での頑張り方
では、ここからは話以外でどう頑張ればいいのかを具体的に見ていきましょう。
「身だしなみ」「大きな声」は重要
まずは「身だしなみ」と「大きな声で話すこと」です。これは絶対に外せません。
何故身だしなみや声が重要か、それは第一印象に大きく影響するからです。
「メラビアンの法則」はご存知でしょうか?
人の第一印象は最初の3~5秒程度で決まり、その情報の90%以上が「視覚」と「聴覚」から得ているという概念です。
「言語」から入ってくる情報は、全体のうちわずか7%程度だと言われています。
見た目や声のトーン、立ち振る舞いが与える影響は圧倒的なのです。
最初に姿勢よく「本日はお時間をさいていただき誠にありがとうございます」と感謝をしっかりと伝える。
それだけで印象はグンとUPします。
当たり前のことかもしれませんが、それだけに大事。基本を大切にしましょう!
面接作法で差をつけろ。誰でも出来る内定率20%UPのマナーと礼儀
皆さんは、会社訪問し、面接を受ける際の作法やマナーについて意識したことはありますか? 面接試験の中身も重要ですが、会社訪問時の作法やマナーも、とても重要なんです。 私も人事担当として採用試験をした際に ...
続きを見る
書類を丁寧に書く
書類を丁寧に書くことも重要なポイントです。
このように指南している本やサイトは山程ありますが、そう書かれていても実際に丁寧に書いてくる人は極わずか。ここで差が出ます。
採用担当者は、書類からあなたがどのような人物かを想像します。
綺麗な字が書けなくても、丁寧に書けば真面目な印象を与えます。
流れるような字・誤字・脱字はいい加減な印象を抱きます。注意しましょう。
話は端的にまとめる
話す時に一つだけ気をつけてほしいことがあります。
それは「同じ話を繰り返す」「発言に時間をかけすぎている」など時間をかけすぎること。
これはマイナス評価に繋がる可能性があります。
集団面接やグループディスカッションは、残念ながらあなただけの場ではありません。
個人面接も相手の貴重な時間を使っているわけですから、時間のかけすぎはよくありません。
上手くなくてもいいので、必要な情報や思いは端的にまとめて伝えられるようにしておきましょう。
話し下手対策 準備編
ではここからは話下手の方が少しでも喋れるよう、事前にできる準備と当日できることをお話しします。
当日までにできる話し下手対策
応募企業は変わっても、面接で聞かれる質問はある程度同じです。
想定される質問に対して話す内容をまとめておき、とにかく面接練習をしましょう。
【対策】就活の面接!よくある質問ベスト30|回答例とポイント解説
面接はどんな質問が飛んでくるか分からないので、苦手な人も多いでしょう。 しかし大抵の面接は同じようなパターンで展開され、質問もテンプレート化しています。ゆえに登場頻度の多い ...
続きを見る
ただし、丸暗記した文章を話すことはやめてください。丸暗記の言葉からでは、あなたの熱意は伝わりません。
日本語や文法が多少間違っていても、「自分の言葉で気持ちを込めて話す」ことが何より重要なのです。
そして、できれば話す様子を動画で撮影してください。
自分の姿が相手にどのように映るかを自分の目で確認することは、とても重要です。
貧乏ゆすりなど落ち着きのない仕草はしていないか?話すスピードは不自然じゃないか?
普段気づかない自分の癖にも気づくことができます。
また面接練習は、できれば様々な場所や環境で繰り返し行うとよいでしょう。
その場の雰囲気や質問、参加者は毎回同じではありません。
どのような状況でも、自分らしく話せるようになるということが必要なのです。
話下手対策 当日編
しどろもどろになってしまう人はやり直す勇気
面接当日話ていて、しどろもどろになってしまったら、思い切って話すことを一旦やめましょう。
そして、面接官に正直に言うのです。
「申し訳ございません、緊張で頭が真っ白になってしまい…もう一度お話しさせてください」。
面接官も応募者が緊張していることはわかっています。悪い印象は残りません。
やり直す勇気だけ持ってください。
当日は緊張しましょう
先程もお伝えした通り、面接官は応募者が緊張していることはわかっています。
少しおかしな言い方をすると、「堂々と緊張すればよい」のです。
「緊張している自分は当たり前だ」と受け入れ、どうにかしようと意識しないことです。
それでも上手く話せなくなってしまう、震えてしまうという方は深呼吸をしましょう。脳に酸素がいくと、体も含めて想像以上に落ち着きます。
緊張より何より重要なことは、自分の言葉で思いを伝えることなのです。それを忘れずにいましょう。
【劇団員が教える!】就職面接で緊張しない方法・あがり症対策
採用不採用を決める上で、企業が最重要視しているのが面接です。 いくら履歴書を綺麗に書き、企業にとって理想的な職務経歴書を提出しても、面接でその思いを伝えることが出来なければ内定をとることは難しいでしょ ...
続きを見る
人事が「この人、話下手だなぁ」と感じても採用する人
私が口下手の人を採用した例 あの人は何が良かったのか
最後に私が勤めている会社で採用した、話下手だった方の例を紹介します。
彼は面接でも口数が少なく、グループディスカッションも目立ったわけではない学生でした
しかし最終的には「面接官全員が彼から強い熱意を感じた」から採用となりました。
彼は面接最後の質疑応答で、企業理念やビジョン・取り扱いアイテムについて熱心に聞いてきました。
そして、「絶対に入社したい」と面接官に一生懸命伝えてきたのです。
志望動機をしっかり記した丁寧な履歴書と最後の言葉で、彼の本気を面接官全員が感じました。
情熱をもって、本気で話せば相手に必ず伝わります。
彼が入社後に活躍している姿からも、面接で上手に話すことだけがすべてではないと私は感じます。
面接の目的は自分にふさわしい企業かを見極めるもの
はじめに、「無理に話上手になる必要はない」とお伝えしました。
あなたという人物は、「話し上手だから伝わるわけではない」のです。
採用担当者から見て、話下手でも採用する人は、企業にふさわしい人材と判断した人。
話下手でも能力・経験があり、仕事に対する意欲を感じられる、ということです。
そもそも面接の『目的』はなんでしょう?
企業はもちろん「求める人材を採用するため」ですが、応募者であるあなたはどうですか?
あなたも、「この企業・仕事が自分に適しているか」を確認するために来ているはずです。
自分は口下手だから…と縮こまらず、「自分も企業を見極める場なのだ」という気持ちを忘れずにいてください。
自分の思い、自分の選んだ道に自信をもって面接に臨んでください。
これを読んだ皆様が、満足のいく結果が出せることを願っています!