就職活動をする際、最も気をつけなければならないのがブラック企業への入社です。
せっかく内定をもらったのに、面接で聞いた労働条件とは異なっていたり、悪質な労働環境では意味がありません。
また既卒の場合はキャリアがない為、そのような求人に出くわす可能性も高いと言えます。
そこで今回は、「ブラック企業が比較的多い仕事・業界」「ブラック企業を避けるためにできる対策」についてお話させていただきます。
始めに ブラックな仕事とは
そもそもブラックという言葉は定義がとても曖昧です。
例えば労働時間はとても長いけど、その分給料が高い会社の場合、一人の人間にはブラックと感じる会社でも、別の人間からはそのように感じないこともあります。
また世間ではブラックな仕事と言われていて多少しんどいのも事実だが、やり甲斐や楽しさを感じ一生懸命に働いてる方もおられます。
ですのでここでは、「あなたの希望する労働条件とかけ離れている」または「法を犯している企業」をブラックな仕事、「辛いと感じる人の相対数が多い仕事」をブラック寄りの仕事として話を進めていきます。
具体的にブラック寄りの仕事とは、他の仕事に比べて「労働時間が長い」「休みが少ない」「給料が安い」「離職率が高い」「パワハラや悪質なクレームなど、度を超えたストレスがある」等が挙げられます。
ブラック寄りの仕事 職種と業界
ブラック寄りの仕事
- 営業職
- 不動産関係
- 飲食(ホール・キッチン)
- ドライバー(配達・配送)
- 介護(介護・ヘルパー)
- IT・エンジニア
- 小売
まずは、ブラック寄りの仕事が多い職種と業界を見ていきましょう。
「営業職」「不動産関係」「飲食(ホール・キッチン)」「ドライバー(配達・配送)」「介護(介護・ヘルパー)」「IT・エンジニア」「小売業界」などの職種や業界は、比較的ブラック寄りの仕事と言われています。
見ていただいて分かる通り、これらは未経験からでも始められる仕事が大半であり、「未経験歓迎」の仕事はブラック寄りが多い傾向にあります。
募集しても応募がない、だから未経験を歓迎せざるをえない、人気がないから常に人手不足、人手不足だから労働時間が長い、労働時間が長いから募集しても応募がないと、イタチごっこ状態なのです。
フリーターはブラック企業やブラック寄りの企業にしか就職できない?
ちなみに「既卒はブラック企業やブラック寄りの企業にしか入社できない」「職歴がない者は悪い労働環境で働くしかない」と思われている方も多いですが、そのようなことはありません。
たしかに職歴がないまま30代を迎えると、新卒や転職者に比べブラックやブラック寄りの企業に出会う可能性は高くなります。
空白期間が長い者に対して「何か問題があるのではないか?」「雇ったとして続くのだろうか?」と懸念するのが普通の企業です。
それでも採用するということは、前述のように、どんな人材でも欲しいという人手不足の会社の可能性が高く、人手不足ということは何かしら労働環境に問題がある企業だからです。
但しこれらは年中募集しているような人員不足の会社の場合であり、穴が空いたから埋める為に募集している企業であればこの限りではありません。
全ての営業職がブラックかと言えば、そんな訳はありません。
ブラック寄りの職種や業界の中にも、ホワイト企業はたくさんあり、それらの企業を見つければ、悪条件の仕事を避けることもできるのです。
ホワイト企業を見つける為にも、以下でお話する「ブラック企業を避ける方法」を身につけましょう。
ブラック企業を避ける方法
ここからは「ブラック企業を避ける方法」を見ていきましょう。
まず一番始めに出来ることは、とにかく質の高い求人を集めることです。
ハローワークを利用するのもよいですが満足度が高い転職サイトなども利用して(既卒の方はフリーター向けの転職サイト)、色々な求人に触れるようにしましょう。
私の知人は過去にハローワークから正社員就職しましたが、朝は5時出勤、夜は23時退社で手取りは20万円という労働条件が過酷なブラック企業でした。
転職サイトを利用して正社員就職した知人も、朝7時出社、夜は1時退社というブラック企業に務めていました。
つまりどちらを利用しようが、良い会社もあれば悪い会社もあります。ですので、ブラックを避ける為にはできるだけ質の高い求人をたくさん知ることが重要なのです。
また転職エージェントならブラック企業徹底排除を宣言している所も多く、実際に訪問した企業しか紹介しないという会社も多いのでおすすめです。
転職エージェントについての詳細は転職サイト・転職エージェントのおすすめ(既卒の方はフリーター向けの転職エージェント)を御覧ください。
転職エージェントの非公開求人とブラック企業
転職エージェントの求人のほとんどが非公開求人なので、今まで見つけることができなかった求人に出会える可能性も高くなります。
ただし1点だけ注意してほしいのが、非公開求人の中にもブラック企業は存在します。
親身なコンサルタントやエージェントに出会えば、そのような求人は極力避けるように気を配っていますが、本当の内部事情がどうなっているのかは、入社してみないと分からない部分もあるのです。
ですから紹介された企業を鵜呑みにし、入社してから後悔するのではなく、最終的には自分で判断する力が必要なのです。
自分で判断する力
ブラック企業かどうかを見極める為には、最終的に自分で判断する力が必要です。
これは転職エージェントの紹介に限らず、一般的な転職サイトやハローワークの求人にも言える事ですので心がけるようにして下さい。
就活生の「ブラック企業判断法」では以下の4種類がよく利用されます。参考にされて下さい。
ブラック企業簡単判断法検索力を養う
電話対応を確認する
会社を見に行く
面接を受ける
検索力を養う
ブラック企業かどうかを判断する際、活用できるのがネット検索です。
企業名を打った途端に「○○ ブラック」とでる企業。これはやはり問題がある可能性が高いです。
ヤフーやグーグルの検索候補というのは、ある程度の人数が調べたからこそ出てくるものです。火のない所に煙はたちません。
ですのでそのワードがすぐに出た場合、減点対象と考えてよいでしょう。(言われもない中傷が拡散されたことにより、大多数が検索し検索予測に出てしまう事もあります。ブラックと出たからといってすぐに決めつけてはいけません。あくまで減点対象に止めましょう)
検索結果に「ブラック」が出てきた場合は、そのことについて書かれた記事をよく読み情報を集めましょう。読んでみると大した問題ではないこともありますし、同名の企業だったということもよくあります。
また、最初に定義した通り、他人にとってはブラックと感じる企業でも、あなたにとってはホワイトかもしれません。
続いて他の検索ワードでも検索してみましょう。
「会社名 評判」
「会社名 評価」
「会社名 離職率」
これらの検索ワードが定番です。
また手っ取り早く情報収集できるのが口コミサイト、SNS、掲示板などの利用です。
検索窓に企業名を打つと、実際に働いてた方の体験談が見れる口コミサイト(カイシャの評判、キャリコネ、転職会議)やSNS(Twitter、Facebook)、掲示板(2ちゃんねる)などが結果表示されることがあります。
そこで内部の情報を入手しましょう。※これらの情報も100%真実とは限りません。掲示板は信憑性も低く、嘘の情報も紛れ込んでいるので、冷静な判断をし惑わされないようにしましょう。
上記を試してもネガティブワードが一切引っかからない場合、ほぼホワイトもしくは無名の企業と考えてよいです。
ネガティブワードが1件程度でも、面接を受けてみる価値は十分にあります。逆にあまりにも悪い噂が多い、話に信憑性がある場合は応募を避けた方が無難でしょう。
始めは信憑性を見極めるのは難しいかもしれませんが、何度も検索している内に鍛えられてくる筈です。
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電話をして応対を見る
ネット検索以外にもブラック企業かどうか判断する方法はあります。
その一つがお目当ての会社に電話してみる方法です。しっかりとした企業であれば、会社の教育も行き届いてますから、事務員の電話応対が丁寧です。
逆にブラック企業は、電話応対ひとつ取り上げても、ぞんざいです。「この忙しい時にゆっくり話してられるか!」と人員が足りていない会社であることまで読み取ることもできます。
電話内容は、簡単な質問でいいでしょう。
実際に会社を見てみる
もうひとつは、実際に会社に行ってみる方法です。一見は百聞にしかずで、これも手っ取り早い方法です。
求人募集の内容や、HPの採用情報、キャリアコンサルタントの話は、あくまでその企業の一部分でしかありません。いざ入社してみると、求人概要の解釈を都合よく変えられ、法律ギリギリの勤務体系を課されることもあります。
ですから入社を決める前に、その会社へ一度行ってみましょう。
勤務時間は終わっている筈なのに、夜遅くまで会社の電気がついていたり、従業員の車がたくさん停まっていれば求人内容は嘘であり、残業時間が違法な会社ということが分かります。
また通常業務と繁忙期で大きな差をつくり、ごまかしている企業もあります。
夜遅くでなくても社員の退社時間に行ってみることで、会社の雰囲気をつかむことが出来るでしょう。悪い所を探すだけでなく良い部分も確かめることが出来るので、時間があるなら足を運んでみましょう。
面接を受けてみる
企業を知る上で一番分かりやすいのは面接を受けてみる事です。
人事や面接官の対応、社内の様子、社員の表情など全てを見る事ができるので会社全体の雰囲気が分かります。いまいち惹かれていなかった企業が、予想を反し好感触に変わることもあるので、時間のある方は受けてみましょう。
仕事は大変なものですし、身も蓋もない事を言えば多くの会社で残業はあります。
何をもってブラックか、何処までが許容範囲かは本人次第だと思います。
しかしあなたがとても耐えれそうにない会社にわざわざ入社する意味はありません。それは他の人にとってはホワイトでも、あなたにとってはブラック企業なのです。
例え、あなたの許容範囲が広い方だとしても、条件の良い会社の方がいいのは間違いありません。
それを入社前・面接前に少しでも見極められるようにしましょう。
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ブラック企業を避ける為の第一は転職サイトや転職エージェント、ハローワーク等を駆使してできるだけ質の高い求人をたくさん集めることです。
しかし最終的には自分の目で判断する力が必要です。
検索力を養ったり、実際に会社に見に行って判断するようにしましょう。