現在就職活動している皆様は、働くことに対してどのような希望を抱いているのでしょうか。
「自分のスキルを活かした仕事ができる」「給与が良い」「安定している」「海外で思う存分働くことができる」等、就活生により様々な希望を持っていると思います。
しかし、積極的にブラック企業に入りたいと思っている人はあまりおらず、できればホワイト企業に入りたいと思っている方が大半でしょう。
そこで本記事では、ブラック企業とホワイト企業の内情に触れつつ、ホワイト企業を見極めるコツを伝授したいと思います。
ホワイト企業とブラック企業では何が異なるのか
そもそもブラック企業、ホワイト企業の差はどんな点に表れているのでしょうか。
勤務時間や給与、プライベートの有無や人間関係といった部分に触れつつ、両企業の内情に迫りたいと思います。
- 残業・時間外労働
- 給与・ボーナス
- 福利厚生
- 休日
- 社員の入れ替わり
- パワハラ
- 新人教育
残業・時間外労働
ブラック企業とホワイト企業のどちらに勤めていても、ノルマとする仕事量を達成できない場合はあるでしょう。
ですので、残業や時間外労働を一切しないということはそうそうありません。
しかし両企業において異なる点はその頻度と社員の意識です。
ホワイト企業においては、残業をしない、或いは無理のない程度の残業をすることが社員の共通意識となっています。
それに対して、ブラック企業では残業をすることが前提であり、残業をしても終わらせることができない仕事を時間外労働として行うことが社員の共通意識であることが多いです。
給与
ブラック企業とホワイト企業のいずれにおいても、初任給や平均年収はあまり差がないことが多いです。
就職する業界によりますが、ブラック企業の方が、残業が多い分、年収は高くなることもあり、これは四季報や就職活動支援サイトを閲覧することで確認できると思います。
しかし、前述のとおりブラック企業ではホワイト企業よりも時間外労働やサービス残業が多い傾向があります。よって、実際に働いた時間当たりの給与はホワイト企業の方が高いケースが多いです。
福利厚生
ホワイト企業は、保険や年金に関する福利厚生を充実させていることが多いです。
しかし、就職活動を行っている方は、あまり福利厚生を見ず、平均年収や初任給に目が行ってしまいがちなのではないでしょうか。
ブラック企業では、初任給等の就活生の目が積極的に行きがちな部分を充実させることで待遇が良いように見せかけ、実際には福利厚生をあまり充実させず、社員一人当たりに割く費用を削減しているケースがあります。
休日
休日については、労働基準法との兼ね合いもあるため、ブラック企業であっても就職活動支援サイト等にはホワイト企業と同様の週休、有給休暇を与えている場合がほとんどです。
しかし、実際にこの規定通りに社員が休めているとは限りません。ホワイト企業では有給休暇消化率が高いことに対し、ブラック企業では消化率が著しく低いことが多いです。
社員の入れ替わり
業界により差異はあれども、多くの企業では社員の平均年齢が30歳代半ばから40歳代半ばです。
或いはブラック企業では平均年齢が30歳代前半と少し若い傾向にあります。
しかし、ブラック企業とホワイト企業では、社員の年代の分布に大きな違いがあります。
ホワイト企業では、全年代においてある程度均一に社員数が分布していることに対して、ブラック企業では、若年層とベテラン層 (50歳代が中心) が多く、社員の平均年齢にあたる層が少ない傾向があります。
これは、ブラック企業であることに耐え切れなくなり、中間管理職となる前に会社を辞めてしまう若年層が多いことに起因しています。
パワハラ
前述の通り、ブラック企業とホワイト企業では、社員における残業や時間外労働に対する意識が異なります。
いずれの企業においても新入社員はホワイト企業寄りの思考を持っていますが、入社から時間が経つにつれ、ブラック企業の社員は残業や時間外労働が当たり前という意識を持ってしまいます。
こういった意識になる要因は種々ありますが、上司の圧力やプレッシャーによる物が多いです。
新人教育
その他のブラック企業が持つ特徴として、新入社員の教育に熱心ではない点も挙げられます。
ホワイト企業では、適切な教育を行い、社員を段階的に無理なく成長させていくことに対し、ブラック企業では、新入社員にも難しいタスクを要求し、社員がストレスを感じてしまう仕事のさせ方をしているケースが多いです。
ホワイト企業の見分け方
これらを考慮し、ホワイト企業とブラック企業を見分ける為には、以下の4つを注意深く観察して下さい。
求人情報の内容
冒頭でも述べた通り転職者の目が行きがちな待遇部分に関しては、ブラック企業の方が良いように掲載しているケースが多いです。
これは、毎年多くの若年層が辞めてしまうため、新入社員の採用数を増やすことを目的としているためです。
優良な企業を選ぶには、初任給や平均年収だけではなく、福利厚生による待遇や、有給消化率の項をよく確認するべきです。
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会社のHP
多くの就活生は会社HPを閲覧することで企業に対する情報を得ます。
よって、ホワイト企業もブラック企業も会社HPの製作には力を入れ、就活生の気を引くキャチコピーやデザインを取り入れているでしょう。
しかし、就活生にとって重要なことは、会社HPに記載されている事項が本当なのか否かです。
そのためには、会社のHPに記載されているデータや業績が最新のものであるか、また確からしいものであるかをよく判断する必要があります。
具体的には「企業名」でグーグル検索をしてみたり、転職エージェントなどを利用して内部情報を収集するようにしましょう。
ブラックが多い仕事7種。ブラック企業の特徴と見分け方も併せてご覧ください。
働いている人に聞く
ブラック企業であるかホワイト企業であるかを見極める最も有効な手法は、「実際に働いている人に聞いてみる」ことです。
特にベテラン層ではなく、若年層に尋ねることが有効でしょう。
また、インターネット上の掲示板等で頻繁に悪い噂がたっている企業もブラック企業である可能性があると思っておいた方が良いです。
また、ホワイト企業の特徴としては、「社員が自分の会社の愚痴をあまり言わない」ことが挙げられます。
なかなか社内の人と実際に話す機会は得られませんが、本当にブラック企業かホワイト企業かを判断したい企業に対しては、積極的にインターンシップや説明会に参加し、社員と話す試みをするべきです。
面接を受ける
判断法として最も確実なのは、実際に面接を受けることです。
一度会社に出向かないといけないのは多少効率が悪いですが、面接官の業務説明や質疑応答である程度の判別がつきます。
ブラック企業の場合、企業側から業務内容について細かく話すということはありません。
実際の現場とかけ離れていると採用後に問題となりますし、違法な業務形態をわざわざ伝える意味はないからです。
対してホワイト企業は自ら業務形態や福利厚生などについて話してくれます。
これらに注目して面接を受けることでホワイト企業を見つけることができるでしょう。
ホワイト企業が多い業界・少ない業界
ホワイト企業が多い業界は、「メーカー系」です。
その理由は、多くのメーカーが独自の技術を持っており、大きな産業かニッチな分野であるかはさておき高シェアを誇っているケースが多いため、経営が安定していることが多いからです。
逆に、ホワイト企業が少ない業界は「サービス系」です。
その理由は、サービス業は顧客単価の収益が低いためです。よって、社員はなかなか休めず、できる限り安い人件費で雇われることより、ブラック企業となっているケースが多いです。
ホワイト企業の例
「サントリーホールディングス」
サントリーホールディングスは、社員の働き方をよく考えている会社として知られています。さらに、非上場企業という点を利用し、上場企業のルールに縛られることなく、自社の社員にとって良い規定を積極的に採用できる点が特徴です。
「日産化学工業」
日産化学工業は、研究開発に特に尽力している企業として知られています。社員の純粋な「研究をし、価値を創造したい」という意思を尊重し、研究成果を出し、得られた収益の多くを研究費に回すというサイクルを繰り返している企業です。研究開発をしたい就活生にとっては非常に優良な企業となっているのではないでしょうか。
当然、この記事に記した傾向に則らないブラック企業やホワイト企業もあるため、最終的には自分の目で会社の風潮を見極める必要があります。すべての就活生が満足のいく内定を取得できることを心よりお祈りしております。