「はじめから正社員就活すべきか」
「アルバイトからはじめて、正社員のお声がけを待つべきか」
経歴に自信が無いから、正社員で雇ってくれないのでは?と思っている方が多いです。
結論から話すとフリーター生活が長かった人でも、はじめから正社員で就職できます。むしろ、アルバイトから正社員になる方が難しいしリスクも高いので、特別な理由がない限り正社員就職を目指しましょう。
(正社員の敷居が高いクリエイティブ職の場合は、アルバイトからはじめるのも手です)
この記事では、「アルバイトから正社員登用の実態」「アルバイトから正社員を狙うメリットとデメリット」「正社員登用される人の共通の条件」「正社員登用が多い職種と業界」について解説します。
この記事を読めば、あなたがアルバイトから正社員を狙うべきか、はじめから正社員を狙うべきかが分かります。今後どのように行動すればいいか、きっとつかめますよ。
アルバイトから正社員のメリット
1、仕事内容や職場環境が分かっている
入社時から業務をこなせるのが、アルバイトから就職した場合のメリットですね。
どんな仕事をすればいいのか、どんな会社なのか全てわかっています。
仕事で一番のストレスは人間関係とも言われますが、すでに職場のことが分かっているので気が楽ですね。
ただし支社がたくさんある会社や、全国チェーンの飲食店に就職するなら注意しましょう。
仕事内容も大きく変わりますし、全国に転勤の恐れもあります。
2、ミスマッチが起きにくい
就職活動の一番の失敗は、働き出してから「こんなはずじゃなかった」とミスマッチに気づくこと。
アルバイトと違って「ミスマッチだったんで辞めますサヨウナラ」なんて通用しません。
研修期間が終わっているなら、辞めるまで最低2週間必要です。
就活ではミスマッチにならないよう企業研究を行うのですが、外部から調べるのと実際に働くのでは雲泥の差があります。
その点アルバイトから就職先の仕事経験をできるのはメリットです。
3、就活の必要がない|プッシュも可能
就職活動の必要がないのもメリットです。
一般就職なら、転職サイトやハローワークで求人を探して書類を記入し、面接対策して本番に挑みます。
1社目で採用されるのは珍しいです。たいてい何社か面接に行って、やっとの思いで採用されます。
時間も労力もかかりますし、長引けば長引くほど精神的ストレスも大きいです。
その点、アルバイト先であれば面接官は直属の上司。全国チェーンなら本部の人が相手の可能性もありますが、お世話になってる店長がプッシュしてくれるでしょうから、採用されやすいです。
なにより、すでにスキルが備わっているし、どんな力があれば採用されるか把握しているので、アピールポイントが明確です。
零細企業なら簡易的な面接で終わることもあります。
アルバイトから正社員のデメリット
1、正社員登用がいつか分からない
正社員登用があるとして、どの時期になるかは分かりません。
1年先なのか、はたまた2年先なのか。
2年頑張ってみたけど正社員登用の話は一度もなかった。なんてことにもなりかねません。
2、条件は会社によって異なる|正社員登用試験など厳しい条件もある
「これができれば正社員になれます!」と明確な基準はありません。
どんな条件にしているかは会社によって様々です。
上司が猛プッシュしてくれても、本社がNGを出せば不採用になります。
条件が厳しい会社だと、正社員登用試験を実施したり、面接を二度三度したりして、ようやく内定になります。
3、ポテンシャル採用がないことも
新卒や第二新卒なら、入社してすぐ業務ができないのは当然。なのでポテンシャルや社会人としての常識など、その人の性格や、やる気を加味します。
しかしアルバイトからの就職は業務経験がすでにあるので、中途採用と同じ扱い。
スキルも重要視されるので、アルバイト時代から成果を出す必要があります。
また面接で初対面の会社であれば、自分のキャラを作りこんでみたり多少の誇張は通じるかもしれません。
でもアルバイト先だと一切の嘘が通用しません。
アルバイトでは指示待ちで働いていた人が、「みんなをまとめて、的確な指示を出せます!」なんてアピールするのは少し無理があります。
「正社員登用あり」は嘘?その実態
では年間どれくらいの人が、アルバイトから正社員になっているのでしょうか
「正社員登用なんて嘘。」「アルバイトから正社員になんてなれない」のような意見も目にしますが、そんなことはありません。
以下は厚生労働省が定期的に調査している「労働経済動向調査の概況」のデータ。
このデータの中に「産業、正社員以外の労働者から正社員への登用制度の有無、過去1年間の登用実績の有無別事業所割合」があります。
(単位は%)
産業 | 登用制度あり | 登用制度なし | 合計 | |||||
計 | 登用実績あり | 登用実績なし | 計 | 登用実績あり | 登用実績なし | 登用実績あり | 登用実績なし | |
建設業 | 54 | 26 | 31 | 45 | 8 | 37 | 34 | 64 |
製造業 | 73 | 44 | 27 | 25 | 8 | 18 | 52 | 46 |
情報通信業 | 54 | 33 | 29 | 45 | 10 | 36 | 43 | 57 |
運輸業・郵便業 | 69 | 43 | 21 | 28 | 7 | 21 | 51 | 46 |
卸売業・小売業 | 81 | 38 | 26 | 19 | 8 | 12 | 46 | 54 |
金融業・保険業 | 76 | 36 | 43 | 19 | 4 | 15 | 40 | 55 |
不動産業、物品賃貸業 | 72 | 44 | 40 | 26 | 9 | 17 | 53 | 45 |
学術研究・専門・技術サービス業 | 63 | 40 | 28 | 36 | 10 | 26 | 50 | 49 |
宿泊業、飲食サービス業 | 80 | 37 | 43 | 13 | 5 | 8 | 42 | 51 |
生活関連サービス業、娯楽業 | 76 | 42 | 33 | 24 | 7 | 17 | 50 | 50 |
医療、福祉 | 75 | 48 | 28 | 24 | 13 | 11 | 60 | 39 |
サービス業 | 76 | 42 | 35 | 22 | 9 | 13 | 51 | 47 |
労働経済動向調査(2019 年2月から2020 年1月まで)の登用実績
左は「登用制度あり」の会社で「実績あり」か「実績なし」か。
真ん中は「登用制度なし」の会社で「実績あり」か「実績なし」かを調査したもの。
右は合計です。
全ての産業の合計は、「登用実績ありが51%」「登用実績なしが48%」「未回答が1%」になっています。
正社員以外の労働者のデータなので、アルバイト以外にも契約社員・パート・派遣などかありますが、半分は正社員登用が実際にありました。
登用制度がない会社でも登用するケースがあるので、嘘ではありません。
ただ逆に言えば1年間の内、半分の会社では正社員登用がなかったとも言えます。
アルバイトから正社員になれる仕事
正社員登用の実績
- 製造業
- 運輸業、郵便業
- 不動産業、物品賃貸業
- 学術研究、専門・技術サービス業
- 生活関連サービス業、娯楽業
- 医療、福祉
- サービス業
名前を聞いて分かりにくいものは下記の3つでしょうか。
代表的な仕事
①「学術研究、専門・技術サービス業」は、開発研究機関や、法律事務所、税理士、広告業など
②「生活関連サービス業、娯楽業」は、クリーニングや美容院、エステ、結婚相談所、映画館、スポーツ施設など。
③「サービス業」は、自動車整備や、職業紹介、警備業、機械修理など。
これらの仕事は、他の仕事に比べるとアルバイトから正社員雇用の実績が多いと分かります。
正社員の声がかかる人の特徴
こんな人は正社員登用されやすい
- 専門スキルがある
- 自分で考えて動ける
- アルバイトをまとめて的確な指示を出せる
会社から見れば、正社員として登用する理由は自社で囲いたいから。
囲いたくなるのは「専門スキルがある」「結果を出せる」「いちいち説明しなくても考えて動いて」「他のアルバイトにも指示できる」などです。
「アルバイトから正社員への打診」体験談
私は28歳までアルバイトで生計を立てていました。
どちらかと言えば真面目に仕事をこなすし、周りとも楽しくやっていたタイプだと思います。
そんなある日、バイト先の飲食店の店長から「正社員にならないか?」と話を持ちかけられました。
就職活動はしてたものの不採用続きだったので、とても嬉しかったことを覚えています。
アルバイトでも真面目に一生懸命働けば正社員の声がかかるんだなと実感しました。
飲食店は求人も多く常に人手不足な業界なので、アルバイトと言わず正社員からでも内定確率は高いと思いますが、時間に余裕があるなら、バイトで空気を味わってみるのもおすすめします!
余計なお世話を承知で一言付け加えると、外食産業に関してはアルバイトと正社員の仕事量の差がかなり大きいです。なのでおすすめはしません。(笑)
とにかく仕事量が多く仕事時間も長いし、給料も安いです。
また転勤も多いです。
アルバイトから正社員を狙うなら条件を確認しよう
あなたが目指す仕事が専門的スキル必須なら、アルバイトから始めて実績を積むのもアリです。
その場合は、以下のことを面接で確認しましょう
面接での注意点
- 正社員登用制度はあるのか
- あるとすれば実績はあるのか
- その実績はいつの話か
- どれくらいの割合か
- 正社員希望を伝えておく
などしっかり質問しておきましょう。
また、アルバイトから正社員になって待遇が変わることもあります。
長時間労働やサービス残業は当たり前、ボーナスも貰えないなんてことにならないよう、あらかじめ話しておくと良いでしょう。
アルバイトか正社員かで迷ったら
アルバイトから正社員を目指すのは難しい話をさせていただきました。
もし必ず正社員になりたい、今すぐ正社員になりたいという方はアルバイトから目指すより、はじめから正社員として就職活動しましょう。
いまさら正社員就職なんてできないと、悩んでる人もいるかもしれません。
しかし20代なんて、まだまだ若く正社員の仕事なんていくらでもあります。
30代前半まで正社員経験なしで、初就職した人もたくさんいます。
まずは転職エージェントを使ったり、ハローワークに通ってみましょう。
転職サイトでも構いませんが、書類添削や面接の練習も受けられるので、転職エージェントの方がおすすめです。
全国チェーンの飲食店
28歳男性