職歴なしから公務員
現代の人気の職業として、1番初めに思いつくのが「公務員」です。
教育や警察官、消防士等、様々なジャンルの職種がありますが、公務員は「安定性抜群」「世間体良し」「解雇されにくい」などの多くのメリットがあるので、職探しをしている人から絶大なる人気を誇っています。
しかし、人気があるという事はそれだけ「ライバルが多い」ということ。公務員試験を受ける人の種類は様々で「職歴ありの受験生」もいれば「職歴なしの受験生」もいます。
職歴なしの受験生からしたら、公務員になる事で人生を大逆転出来るので、是が非でも内定が欲しいはず!
そこで今回は「職歴なしから公務員になる方法」をご紹介していきます。
職歴なしが公務員試験を受ける為に必要な条件
- 年齢制限は一部を除き30歳まで
- 学歴は大卒もしくは不問
- 資格免許職を除き、なくてもよい
何歳まで公務員試験は受けられるのか
仮に大学を卒業していて数年間ブラブラしていても公務員試験を受ける事は出来ます。公務員はどの職種においても年齢条件がありますが、それさえクリアしていれば試験を受ける資格があるのです。
例を挙げてみると、国家公務員・地方公務員は共に「30歳まで」の所が多いです。
ただし例外はあり、警察官Ⅰ類・Ⅲ類は「34歳」まで受ける事ができ、消防官Ⅰ・Ⅲ類は「29歳」まで受ける事が出来ます。
例 国家試験の一般職を受けたい場合
「大学卒業」・・・年齢条件は21歳から29歳までの大学卒業されている方が受ける事が出来ます。
「高校卒業」・・・高校卒業までの場合は、年齢ではなく高校を卒業見込み又は卒業してから2年以内であれば試験を受ける資格を得ます。
「中学卒業」・・・さすがに、学歴が中学卒業までであれば受験資格は無いと思われているかもしれませんが、国家試験の一般職であれば中学卒業後2年以上5年未満であれば試験を受ける事が出来ます。
年齢条件は、それぞれの職種によって異なりますが、職歴がないというだけで公務員になれないという訳ではありません。しかし有利、不利は必ずありますので注意してください。
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学歴の不利
公務員試験に学歴は関係ありません。
試験によって「大卒程度」と書かれているものがありますが、コレは「大卒じゃないと受けられない」という意味では無く「大卒レベルの問題が出る」という意味ですので、学力さえあれば高卒の人でも内定を貰う事は出来ます。
ただ、自治体によっては受験条件に「大卒見込みまたは大卒」としている所もありますので注意してください。
学歴の不利は中学卒業と高校卒業までの方です。職歴がなくても公務員試験を受ける事は出来ますが年齢条件が大学を卒業している方に比べると狭いです。
ましてや公務員は毎年受験する方も多いだけに少ない年数で合格するという事はそれなりの努力をしなければいけません。
それなりのリスクを背負ってしまいますが合格している方もいるので可能性がないという訳ではありません。
免許・資格の有無
公務員試験で必要なのは「年齢」「国籍」くらいですので、保育士のような「資格免許職」を除けば、資格や免許を取得していなくても受けることができます。
しかし「TOEIC」「日商簿記検定2級以上」「国家資格」など実用性のある資格を持っていれば、面接で高評価を受ける事が出来るので持っていて損はないでしょう。
職歴なしが受けられる公務員試験の種類
- 国家公務員・・・「国家総合職」「国家一般職」「国税専門官」など
- 地方公務員・・・「市役所職員」「公安警察」「消防士」など
- その他
公務員の種類は主に「国家公務員」「地方公務員」「その他」に分かれます。
「国家公務員」は国の中央省庁・出先機関に属する公務員の事を指します。国家公務員の種類には「国家総合職」「国家一般職」「国税専門官」「皇居護衛官」「裁判所職員」などがあります。
「地方公務員」は地方公共団体に属する公務員の事を指し、代表例として「市役所職員」「公安警察」「消防士」などが挙げられます。
地方公務員の種類には「地方上級」「地方初級」「警察庁職員Ⅰ類」などがあります。
その他の分類の公務員には「国立大学法人等職員」「高齢障害求職者雇用支援機構」などがあります。
国家公務員も地方公務員も「職歴の有無は関係なく受験できる」ので、職歴が無いから受験が出来ないという事は一切ございません。
「公務員試験の筆記・面接の種類」
公務員になるには「公務員試験」に合格をする必要があります。
公務員試験は「筆記試験」と「人物試験」に分かれていて、基本は1次試験に「筆記試験」、2次試験に「人物(面接)試験」を行います。
大卒・上級レベルの筆記試験の場合「教養試験」と「専門試験」の2つの試験を行う事が多いので、勉強をする量は地方初級(高卒)の倍以上になります。
さらに、試験の種類や自治体によって、一次試験に「論文試験」を行う所もあるので、試験によっては1次試験だけで夕方までかかる場合もあります。
1次試験を通過したら「人物試験」に進むのですが、人物試験も試験の種類や自治体によって「個別面接」「集団面接」「集団討論」「プレゼンテーション」のどの採用方法を取っているかが変わってきます。
なので、自分が受ける公務員試験はどのような採用形式を取っているかは事前に資料やネットなどで調べた方が良いです。
職歴がないという不利
公務員になるためには様々な難関を潜り抜けなければいけません。
その際に職歴が無いというリスクが生じてしまいます。
職歴なしの人の場合、職歴ありの人と比べて「空白期間がある」という時点で、マイナスからのスタートとなるのです。
仮に筆記試験を好成績で突破出来たとしても、面接試験で面接官に「この受験者は良い人材だ!是非とも欲しい!」と思わせないと採用はされません。
では、この空白期間の説明をどうやって乗り切るか。正直に「ニートをしていました」では受かるわけがありません。
ですので「公務員試験の勉強をしていました」「資格勉強をしていました」「自分に合う仕事を探すために派遣などをしていました」などプラスの印象を持ってもらえる返答をする事が面接突破のカギになります。
もし、資格合格をしていない人の場合は「現在資格取得に向けて勉強中です」と答えるのも良いです。
本当にただブラブラしていたのであれば当然言葉も思いつかないでしょうし、苦し紛れの嘘は見透かされてしまいます。
面接の際は「なぜこの自治体を選んだのか」「自己PR」など一般的な質問の他に、高い可能性で「働いていない期間はなにをしていたのか?」という質問をされますが、働いてない期間にどれだけ自分にとってプラスのものを得たのか、学んだ事や経験をした事を上手く伝えれるかを意識してください。
逆に言うと、空白期間の答えがしっかりしていれば、ほぼ職歴ありの人と同等の立場で、面接に挑むことが出来ます。
最近は社会人採用枠を採用している自治体は増えてきましたが、社会人採用枠を実施していない自治体では、職歴ありの受験者が宿敵となるわけですから、十分に対策して挑みましょう。
公務員試験の勉強方法の種類 不利を有利にするために
公務員試験は、年齢条件をクリアしているからといっても簡単に試験に合格出来るものではありません。毎年のように倍率は高くなり狭き門でもありますので中途半端な勉強方法では受かる可能性はほとんどありません。
まずは、受けたい公務員試験をきちんと見極めて、自分の年齢ではどのような試験を受けなければいけないのか、どのような勉強をやればいいのかをしっかりと把握して下さい。
公務員試験の勉強方法は大きく分けて「独学」「予備校や講習」の2つに分かれます。
独学の場合は、お金がかからない、自分のペースで出来るというメリットがありますが、その分、全部自力で勉強しなくてはならないのがデメリットです。
予備校や講習の場合は、お金はかかってしまいますが、その分、分からない所をすぐにプロの講師に聞けるのはメリットです。
そんな余裕が無いという場合は独学になってしまいますが、色んな情報を得ながら勉強方法を自分で考えて知識を身に付けていくしかありません。
独学の場合、1年後の公務員試験に受かるためには1日最低でも9時間程度の勉強が必要といわれており毎日過酷な時間を過ごさなければいけません。
それでも、努力をしなければ公務員にはなれないという事を忘れないで下さい。
ただ、人によっては独学の方が向いている人もいるので、自分は独学が向いのか、予備校が向いているのかは、しっかりと自己分析をするようにしましょう。
アルバイト
勉学を講習やゼミナールで行える方はなるべくアルバイトをするようにしましょう。
アルバイトをする時間よりも勉強をしたいという気持ちは分かりますが、他の人と同じ事をしても面接の強みを見つける事は出来ません。
高校や大学を卒業して働いていない期間があるからこそ働く経験をしなければスキルは向上しません。お金を稼ぐだけではなく、コミュニケーションや思考力も向上するので必ず面接には役立つはずです。
年齢条件をクリアしている限り、公務員を目指すことは決して悪い事ではありません。諦めない人は何年かかってでも挑戦し最終年で合格出来たという方もいます。試験は狭き門ではありますが挑戦をする強い意思が大切です。
バブル時代は公務員といったら、給料が安い事から敬遠されていましたが、現代社会は不況の影響もあり「給料よりも安定」を求める若者がとても増えてきました。
私自身もリーマンショックで就職活動をした世代で、既卒として公務員試験を受けてきましたが、10人程度の採用の椅子を200人の受験生が奪い合うという戦いはとてもハードで疲れました。
しかし、職歴が無くても市役所職員や警察官になった知り合いを大勢見てきたので、職歴が無くても努力さえすれば内定は貰う事が出来ます。
そして、公務員試験は筆記試験で大勢の人が落とされるので、勉強が得意な人はかなり有利な物となっています。
仮に勉強が苦手な人でも、小さい市の市役所や警察官・消防官の場合、筆記試験が「教養試験のみ」の所が多いので、安心してください。
職歴なしの就職活動の進め方