女性の総合職
昔は少なかった女性総合職。しかし昨今ではその数は年々増えてきています。実は私も元商社の女性総合職でした。女性総合職として成功するために一番必要な能力。実体験に基づき回答すると、一番必要な能力とは「一般職を上手くまとめられる力」なのです。
企業がそもそも女性総合職に求めているものとは
まず、総合職とは管理職及び将来管理職になる可能性のある正社員を指します。時には転居を伴う異動命令を受けることも多々あり、兼ねてから総合職=男性というイメージが強いです。
そのいわゆる男性の領域ともいえる域に入って現在働いているのが、女性総合職なのです。
男性と同様の責任・役割を果たすことも当然ですが、それ以上に女性総合職に対しては男性にはない感性や能力も求められています。企業は、同じ女性として働く社内の一般職の取りまとめを求めているのです。
女性総合職の良い点は、総合職として共に働く男性の立場が理解できる点と、同じ女性として一般職の考えにも理解が示せる点です。そのため企業は、女性総合職に対し、総合職(男性)と一般職(女性)の間に入って、その間の調整役を担って欲しいと考えているのです。
なぜ男性総合職では限界があるのか
「昨今セクハラやパワハラ等の問題もあるから、女性のお前から聞いて欲しい。」
これは私が男性総合職の元上司からよく言われた言葉です。要は男性としてはどこまで女性に踏み込んでいいのかが分からないとのことでした。
先程も申し上げたように、女性総合職とは、総合職として共に働く男性の立場が理解できるだけでなく、同じ女性として一般職の考えにも理解が示せる人です。同じ女性だからこそ一般職にざっくばらんに質問できることでも、私の元上司のように男性総合職の中には何らかの抵抗を抱く人が多いのです。
また女性独特の感性、価値観もあるため、男性総合職がそれら全てを汲み取ることは非常に難しいのです。したがい男性総合職ではなく、女性総合職にその調整役が任されているのです。
具体的な女性の取りまとめ方とは
では具体的な取りまとめ方とは何でしょう。
それは悩みや不満を聞くのはもちろんですが、最も効果的な方法は一般職の業務内容を全て把握することです。そして一般職が負担に感じる業務を自ら体験し、必要に応じて改善することです。
私の実例を挙げますと、事務処理の簡素化が挙げられます。私は商社総合職時代、一般職の煩雑な事務処理を経験し、実態を男性上司に報告の上、新たな作業マニュアルを作成したことがありました。今まで男性総合職は、事務処理は女性の仕事としていたこともあり、実態の把握はおろか、一般職の業務負担レベルを理解していませんでした。
そのため総合職が少し顧客と調整すれば省略可能な事も全て一般職にお願いしていたのです。私は事務処理の見直しにより、最終的に一般職の業務負担を20%改善させました。結果、一般職の中で私に信頼感が生まれたため、その後無理難題でも迅速に対応してくれたのです。
総合職はどうしても一般職に指示や依頼をする立場。方法を誤れば信頼を損なう可能性が十分高いのは事実です。
しかし一方で一般職の信頼さえ得られれば、困った際には全力で応えて貰えるのです。まさにGive and Takeの関係。指示や依頼ばかりで一般職の業務改善には非協力的では、その関係は成り立ちません。
しかし一般職の業務内容を全て把握し、改善すべき点を改善できれば、いざという時女性を取りまとめられるのです。
まとめ
このように女性総合職として成功するために一番必要な能力とは、「一般職を上手くまとめられる力」です。なぜなら企業は女性総合職に対して、その特性を活かして総合職(男性)と一般職(女性)の調整役を担うことを求めており、そしてそれは決して男性には容易にできないことなのです。
また一般職より信頼されることで総合職がスムーズに指示・依頼できる環境が生まれるため、総合職からも厚い信頼を寄せられる存在になれるのです。女性総合職の成功とは男性同様、もちろん昇進、キャリアアップです。
評価を下すのは総合職です。
「一般職を上手くまとめられる力」を身につけることこそ、最終的に総合職の信頼を得、自身のキャリアアップにつながる重要課題なのです。