「就職活動でメールのやりとりってそこまで重要ですか?」
自己分析や面接などのアドバイスをしていると、企業との連絡についてそう聞かれることがあります。
答えは「YES」です。おそらく想像以上にとても重要です。
メールからすでに面接は始まっている、といっても過言ではありません。
企業の採用担当として多くの応募者を見てきましたが、連絡がまめで早い方は会う前から好印象です。
逆にメールの返信が遅く、内容が雑だと「相手に対する気遣いがない」と印象が悪くなることがあります。
「考えて打っていると遅くなってしまいます」という方がいますが、1秒でも早く送ってください。
その1秒で印象はもう決まっているかもしれないのです。
今回は採用担当者の立場から、企業とメールで連絡をとる際のポイントについてお話いたします。素早い連絡をするために、メール連絡の例文もいくつかご紹介するので、参考にしてください。
企業とメールで連絡をとる際に気をつけるべきポイント
企業とのメールで気を付けるべきポイントは2つあります。
1、メールがきたら、すぐに返信をする
早ければ早いほどよい、と考えてください。当日中に必ず返しましょう。
しかし、すぐに返信できない内容や中身をしっかり確認する時間がない時もあるかもしれません。
その場合は、「確認し、明日ご連絡いたします」など、自分がいつ連絡できるのかを一言添えて送りましょう。
企業はあなたからの連絡を待っています。
もし、自分が逆の立場だったら、どうしてもらえると嬉しいかを考えて行動してみてください。
2、長々と文章を書かない
採用担当に限らず、社会人は限られた時間の中で仕事をしています。
その貴重な時間を使ってメールを読んでいる、という意識は忘れずにいてください。
長文は相手への気遣いがない、文章がまとめられない人と感じさせてしまいます。
企業とのやりとりでそんなに多くの言葉は必要ありません。言いたいことは簡潔に伝えましょう。
就活メールの件名、本文、応募ファイルについて
件名だけで用件が分かるように。返信の場合はそのままで末尾に氏名を
自分から送信する場合は、件名だけで用件がわかるようにします。
大概の人は、相手と件名で読む優先順位を決めます。
件名で用件がわからないと後回しにされてしまうかもしれません。最悪読んでもらえない危険性もあります。
件名にも必ず気を遣いましょう。
返信の場合、件名はそのままで末尾に「大学名・氏名」を入れましょう。
「Re:」と頭についていること・末尾に氏名があることで、誰からの何の内容の返信だと一目でわかるからです。
しかし、「Re:」が何個もつくと逆に読みづらいので、3個以上は消しておきましょう。
本文には「宛先→挨拶→本文(用件)→結びの言葉→署名
基本構成は、「宛先・挨拶・本文(用件)・結びの言葉・署名」です。
冒頭に必ず宛先(会社名・部署・名前)を入れて送りましょう。
もしかしたら部署全体で共有アドレスを使用しているかもしれません。宛先は必要です。
次に、「はじめてご連絡させていただきます」「お世話になります」などの挨拶を一文入れ、名乗ります。
本文は用件を簡潔に書きます。企業へ応募する場合は、自己PRや志望動機なども一言あると良いでしょう。
結びの言葉は、基本「よろしくお願い申し上げます」でOKです。
最後に署名を忘れずに入れます。(学生なら大学名)氏名・住所・電話番号・アドレスを入れます。
電話番号は、連絡がとりやすい携帯電話にしておきましょう。
応募ファイルはシンプルに、パスワードを設定(履歴書などを添付する場合)
ファイル名は見ただけで何かわかるようにします。「履歴書(大学名・山田花子)」など、シンプルにつけましょう。
添付ファイルの内容については、メール本文にも必ず記載してください。
内容が不明なファイルはどこの企業も開いてはくれません。
また、履歴書は重要な個人情報です。必ずパスワードを設定しましょう。
その際、設定したパスワードは別のメールで送ります。
同じメールで送信してはセキュリティ対策の意味がありません。
改行や段落、敬語などをチェック
PCでメールチェックをすることが多いので、読みやすくするためにも適度に改行しましょう。
敬語はビジネスマナー本を参考にしてください。一冊持っておくと便利なので、これを機に購入をおすすめします。
企業とのメールのやりとり例文
それでは、上記を踏まえた例文を紹介します。
※採用担当者の氏名がわからない時は、「採用ご担当者様」で問題ありません。
メール応募、WEB応募する時の例文
【メール応募の例文】
件名:貴社求人応募の件について(○×大学 山田花子)
本文:
株式会社○×商事
総務部 人事課
山田 太郎様
はじめてご連絡させていただきます。私、○×大学の山田花子と申します。
貴社のホームページで求人内容を拝見し、
是非応募させていただきたくご連絡いたしました。
現在大学で○○を専攻し、△△を活かせる企業への就職を希望しているため、
貴社の××××を大変魅力を感じております。
ぜひ一度、面接の機会をいただけないでしょうか。
ご多忙のところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
*************************************
○×大学 △▼学部 ××学科
山田花子
〒123-4567 愛知県名古屋市○×-▼-×
携帯番号:×××-××××-××××
E-mail:▲△@gmail.com
*************************************
履歴書を送る時の例文
【履歴書等送付時の例文】
件名:履歴書のご送付(○×大学 山田花子)
本文:
株式会社○×商事
総務部 人事課
山田 太郎様
いつもお世話になっております。○×大学の山田花子でございます。
ご指示いただきました履歴書を送付いたします。
ご査収くださいますようお願い申し上げます。
尚、履歴書にはパスワードを設定しておりますので、
後程パスワードをお送りさせていただきます。
お忙しいところ大変恐れ入りますが、
何卒よろしくお願い申し上げます。
*************************************
○×大学 △▼学部 ××学科
山田花子
〒123-4567 愛知県名古屋市○×-▼-×
携帯番号:×××-××××-××××
E-mail:▲△@gmail.com
*************************************
【パスワード連絡の例文】
件名:【パスワード】履歴書・エントリーシートのご送付(○×大学 山田花子)
本文:
株式会社○×商事
総務部 人事課
山田 太郎様
いつもお世話になっております。○×大学の山田花子でございます。
先程お送りしました履歴書のパスワードをご連絡いたします。
パスワード:○×▼△
お手数をおかけしますが、
ご査収の程よろしくお願い申し上げます。
*************************************
○×大学 △▼学部 ××学科
山田花子
〒123-4567 愛知県名古屋市○×-▼-×
携帯番号:×××-××××-××××
E-mail:▲△@gmail.com
*************************************
「応募確認しました」に対しての返信例文
応募後送られてくる「応募確認しました。書類選考をします」などに対しての返信は一言で構いませんので返信しましょう。
「ご確認いただきありがとうございます。よろしくお願い申し上げます。」と短くて構いません。
採用担当も「メールを確認してもらえた」と安心します。
「書類選考通過のお知らせ」への返信例文
【書類選考通過お礼の例文】
件名:書類選考通過のお礼(○×大学 山田花子)
本文:
株式会社○×商事
総務部 人事課
山田 太郎様
いつもお世話になっております。○×大学の山田花子でございます。
書類選考通過のご連絡をいただき、まことにありがとうございます。
面接の機会をいただけるということ、大変嬉しく思います。
次回日程のご連絡をお待ちしております。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
*************************************
○×大学 △▼学部 ××学科
山田花子
〒123-4567 愛知県名古屋市○×-▼-×
携帯番号:×××-××××-××××
E-mail:▲△@gmail.com
*************************************
日程調整のメールの返信例文 先方から候補日を言われた場合
※メールの返信は上記で伝えた通り、件名はそのままで大学名と氏名を追加で書きましょう。
【先方から候補日を言われた場合の例文】
件名:Re:一次面接日程のご案内(○×大学 山田花子)
本文:
株式会社○×商事
総務部 人事課
山田 太郎様
いつもお世話になっております。○×大学の山田花子でございます。
一次面接日程のご連絡をいただき、まことにありがとうございます。
ご指示いただきました下記日程で貴社へ伺います。
日時:○月×日(△)14:00~
場所:○○本社ビル3階
当日はどうぞよろしくお願いいたします。
*************************************
○×大学 △▼学部 ××学科
山田花子
〒123-4567 愛知県名古屋市○×-▼-×
携帯番号:×××-××××-××××
E-mail:▲△@gmail.com
*************************************
日程調整のメールの返信例文 先方が提案した複数の候補日から選ぶ場合
【先方が提案した複数の候補日から選ぶ場合の例文】
件名:Re:一次面接日程のご案内(○×大学 山田花子)
本文:
株式会社○×商事
総務部 人事課
山田 太郎様
いつもお世話になっております。○×大学の山田花子でございます。
一次面接の日程候補をいただき、まことにありがとうございます。
ご提案いただきました下記日程で貴社に伺います。
日時:○月×日(△)14:00~
場所:○○本社ビル3階
お忙しい中大変恐れ入りますが、
何卒よろしくお願いいたします。
*************************************
○×大学 △▼学部 ××学科
山田花子
〒123-4567 愛知県名古屋市○×-▼-×
携帯番号:×××-××××-××××
E-mail:▲△@gmail.com
*************************************
日程調整のメールの返信例文 指定された面接日では都合が悪い場合
【指定された面接日では都合が悪い場合の例文】
件名:Re:一次面接日程のご案内(○×大学 山田花子)
本文:
株式会社○×商事
総務部 人事課
山田 太郎様
いつもお世話になっております。○×大学の山田花子でございます。
一次面接の日程候補をいただき、まことにありがとうございます。
大変申し訳ございませんが、ご提案いただいた日程が
大学のゼミと重なってしまったため、参加することが難しい状況です。
こちらの都合で恐れ入りますが、
下記日程で調整いただくことは可能でしょうか。
○月×日(△)終日
○月▼日(△)13時以降
○月×日(△)9~13時
お手数をおかけしますが、
ご検討くださいますようよろしくお願いいたします。
*************************************
○×大学 △▼学部 ××学科
山田花子
〒123-4567 愛知県名古屋市○×-▼-×
携帯番号:×××-××××-××××
E-mail:▲△@gmail.com
*************************************
こちらから候補日を送る場合の例文
【こちらから候補日を送る場合の例文】
件名:Re:一次面接日程について(○×大学 山田花子)
本文:
株式会社○×商事
総務部 人事課
山田 太郎様
いつもお世話になっております。○×大学の山田花子でございます。
一次面接についてご連絡いただき、まことにありがとうございます。
面接の希望日程をお送りいたします。
下記日程で調整いただけますと幸いです。
○月×日(△)15時以降
○月▼日(△)終日
○月×日(△)10~18時
お忙しい中恐れ入りますが、
よろしくお願い申し上げます。
*************************************
○×大学 △▼学部 ××学科
山田花子
〒123-4567 愛知県名古屋市○×-▼-×
携帯番号:×××-××××-××××
E-mail:▲△@gmail.com
*************************************
一度決まった面接日の変更をお願いする場合の例文
※この場合、基本は電話で謝罪しましょう。理由はどうあれ、再調整は企業にとって負担です。
「申し訳ない」という気持ちをしっかりと伝え、メールも送りましょう。
【一度決まった面接日の変更をお願いする場合の例文】
件名:面接日程変更のお願い(○×大学 山田花子)
本文:
株式会社○×商事
総務部 人事課
山田 太郎様
いつもお世話になっております。○×大学の山田花子でございます。
お忙しい中大変申し訳ございません。
○月×日▲時の面接日程の変更をお願いしたく、ご連絡いたしました。
大学のゼミ発表と重なり、どうしてもお伺いすることができません。
もし可能であれば、再度日程調整をしていただけないでしょうか。
こちらの勝手なお願いで大変恐縮ですが、
下記日程でしたら確実に貴社に伺うことができます。
○月×日(△)15時以降
○月▼日(△)終日
○月×日(△)10~18時
ご迷惑をおかけし、まことに申し訳ございません。
ご検討くださいますよう
何卒よろしくお願い申し上げます。
*************************************
○×大学 △▼学部 ××学科
山田花子
〒123-4567 愛知県名古屋市○×-▼-×
携帯番号:×××-××××-××××
E-mail:▲△@gmail.com
*************************************
面接日決定のお知らせに対して返信する場合
※再確認の意味も込めて、日時を記載して送りましょう!
【面接日決定のお知らせに対して返信する場合の例文】
件名:Re:Re:一次面接日程のご案内(○×大学 山田花子)
本文:
株式会社○×商事
総務部 人事課
山田 太郎様
いつもお世話になっております。○×大学の山田花子でございます。
面接日程について調整いただき、まことにありがとうございます。
それでは、下記日程で貴社に伺います。
日時:○月×日(△)14:00~
場所:○○本社ビル3階
当日はよろしくお願いいたします。
*************************************
○×大学 △▼学部 ××学科
山田花子
〒123-4567 愛知県名古屋市○×-▼-×
携帯番号:×××-××××-××××
E-mail:▲△@gmail.com
*************************************
まとめ
はじめに、「メールは1秒でも早く送ってください」とお伝えしました。
メールは、反応がないと読まれたかどうかの確認ができません。
だからこそ、「確認しました」の一言でも返信が大切なのです。そこに長い文章をつくる必要はありません。
このメールに返信すべきかどうかの判断は、そう考えると自然とわかるのではないでしょうか。
読んだ皆様の少しでも参考になれば幸いです。皆様の活動がうまくいくことを祈っています。