新卒での人材紹介会社利用
人材紹介は、社会人経験3年以上など、比較的社会人経験のある方がメインですが、最近は新卒向けの人材紹介も増えました。
新卒紹介会社が就活生を集め、就職内定を得られず苦労している学生にとっては、相談に乗ってくれるし、企業も紹介してくれる。またキャリアコンサルタントも比較的若いコンサルタントが多く、学生達とあまり年齢が変わらない先輩のような人たちからアドバイスがもらえるので 紹介会社はとても心強い存在なのかもしれません。
学生は特に注意
ただ学生の皆さんに気を付けてほしいのが、紹介してくる案件の内容。自分と歳が変わらないキャリアコンサルタントの話はとても魅力的に感じられると思います。しかし彼らの話を鵜呑みにすることなく、必ず一度立ち止まって、どのような会社なのかを自分自身で調べることをお勧めします。
人材紹介というビジネスは、内定者に入社してもらう事がミッションであり、どのような人材紹介会社であれ、強引に入社を勧めることもあります。ですので、キャリアコンサルタントは魅力的な部分だけをアピールしてくる可能性もあります。必ずネットや口コミ等で、紹介された会社はどのような評判の会社なのかを今一度確認をしてください。
新卒向けのジョブフェアに関してはどの学生も大手・人気企業に応募が殺到する現状があり、それらの企業は採用には さほど苦労しません。しかし、採用に苦労している中堅中小会社は、人が集まらないがゆえに人材紹介会社を経由して学生を集めてくる実情もあります。
評判を自分で確認する事
先日第二新卒で転職を考えている求職者の方と話をする機会がありました。その方は新卒の際に、とある新卒専門人材紹介会社を経由し現在の会社に入社しました、というのも新卒の時の就職活動がうまくいかず、大学4年生の秋に新卒専門の人材紹介会社に登録をし、なかなか就職が決まらず焦る気持ちもあり、藁をもつかむ気持ちだったのです。
人材紹介会社のキャリアアドバイザーは年齢も近いこともあり、友達のように話ができて安心しました。そしてそのキャリアアドバイザーが紹介した「成果主義、成長できる環境のA社」「若いうちから様々な責任をもたせてもらえるB社」「社長直属、経営に関われるC社」という3社を受けました。
その中で求職者の方は活気を感じたA社に入社したのですが、このA社、入社してみると実は飛び込み営業を朝から晩までさせる会社で、また毎日の定例ミーティングが夜8時からあり、売り上げ目標が達成していない営業スタッフには激しい罵倒が浴びせられるという企業だったそうで、そのような環境に耐えかね、従業員が次々に辞めていく会社だったそうです。
その第二新卒の求職者の方は「業績が急成長している、成長意欲がある方にピッタリです、先輩が優しく教えてくれますよとキャリアアドバイザーが言ってくれたから、入社したのに、入社後、たった1日のオリエンテーションだけで、あとはよくわからないまま飛び込み営業を毎日させられた、先輩が教えてくれるなんて嘘だった」とおっしゃっていました。
転職をされたことのある方であれば、ある程度理解できるかもしれませんが、「成果主義」というキーワードは裏を返せば、「成果がすべて、成果が上げられない人はアウト」や「若いうちから様々な責任をもたせてもらえる」は「仕事の量が多く、責任が非常に重い環境」、また「社長直属、経営に関われる」のキーワードは「トップダウン気質が非常に強い、社長のYESマンに徹する環境」等の事が予想されます。
頼るのはいいが信用しすぎない
ある程度社会の経験がある方なら理解できるかもしれませんが、まだ社会人経験もない新卒の学生にはそんなことを理解するのは難しいと考えます。そのためキャリアアドバイザーのいう事を鵜呑みにしてしまい、入社し失敗することも多く、現に新卒向け人材紹介会社は入社した方のご両親からのクレームが多いようです。
確かに新卒での就職活動、右も左もわからない中、人材紹介会社のサポートは心強いかと思いますが、残念ながら人材紹介会社は非営利団体やボランティアではなく、あくまでも会社の利益のために存在しています。人材紹介会社の話を鵜呑みにせず、ご家族・友達・学校の先生などにも相談されて今後の自分の人生を左右する大きな一歩、是非慎重に検討されてください。