企業様にとって、履歴書のブランクは一番目につく所なのです。
そこで今回は、「基本的な履歴書の作成方法」から「無職期間がある時の履歴書の書き方」「既卒(フリーター・ニートなど正社員職歴がない方)の自己PRと志望動機の書き方」についてお話しさせていただきます。
無職・ニートの就職活動
履歴書用紙について
細かいことですが採用を左右する重要な項目もありますので、しっかりご覧下さい。
最初に用紙を手に入れましょう。履歴書はコンビ二やスーパー、100円均一などで販売しています。
大学を卒業してからそれ程時間が経っていない方は大学指定の履歴書でも構いませんが、市販のものに比べて学生生活に関する欄が大きいので、既卒は市販の方が適しています。
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履歴書のサイズとJIS規格
履歴書のサイズは一般的にB5サイズ(B4の二つ折り)を使用します。
A4サイズが絶対に駄目というわけではありませんが、他の志望者はB5サイズを使用していることが多いので、人事の方がひとまとめに扱いやすいのです。
ですからB5サイズで統一しておきましょう。反対に職務経歴書はA4サイズが一般的です。
また履歴書は規格によって書かれている項目が異なります。一般的に売られているのは、以下の画像のようなJIS規格と呼ばれる形式で、国が定めている履歴書です。
ただしJIS規格は記入欄が限られているので、既卒の方にとっては十分なアピールができません。ですからアピール欄が大きい履歴書を選ぶか、職務経歴書をアピール用紙の代わりに使うのが有効です。
職歴なし・フリーター職務経歴書の書き方
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履歴書は手書きかPCで作成か
履歴書は手書きかPC作成かで迷う方も多いですが、ほとんどの場合どちらでも問題ありません。
ただし、無難なのは手書きの方です。
昔気質の会社では手書きを希望する所もありますし、IT業界や外資系の企業ではPCの使用が常識となってきています。
ですから自身が希望する業界や会社に合わせて使い分けるのが良いでしょう。勿論「(手書き)」という指定があれば手書きで書かなければなりません。
手書きには感情が伝わりやすいというメリットがありますが、効率的なのは圧倒的にPCです。誤字脱字があっても、すぐに訂正ができますし、たくさんの企業に履歴書を提出する際、プロフィールは使いまわすことができるからです。
名前、生年月日、住所、電話番号の記入、証明写真の貼り付け
名前、生年月日、住所、電話番号を記入します。
この時、誤字脱字がないように気をつけて下さい。
また字が汚い人は丁寧に書く心掛けをしましょう。字が下手だからといって、流すように書いてはいけません。一文字一文字丁寧に書いて下さい。
証明写真はノリでしっかり貼り付けます。傾いたりゆがまないよう横の線と平行になるよう合わせて下さい。
証明写真はスピード写真?写真館?
証明写真は写真館で撮影することをおすすめします。
スピード写真は表情が暗く見えるので、面接においては不向きなのです。
膝元に白いハンカチを置くことで多少は明るく撮ることもできますが、写真館で撮影しても1500円程ですし、写真データをCDで貰えるので、今後何度も使用できるというメリットがあります。
履歴書の写真映りは意外と重要で、写真館で撮影したことにより選考が通りやすくなった方は多いです。
「カメラのキタムラ」のようなチェーン店で問題ありませんのでプロに撮影してもらって下さい。
既卒の学歴と職歴欄の書き方
注意点は、履歴書全体で年の表記を統一することです。西暦でも年号でもどちらでも構いません。
学歴は最終学歴の1つ前から記入していきます。
図のように最終学歴が大学卒の方は、高校卒業から記入して下さい。
空白期間の埋め方 アルバイト経験を記入する
次に職歴を記入します。
無職の方は正社員経験がほとんどない、もしくは経験が浅いので記入する職歴がありません。そういった場合は派遣経験やアルバイト経験を記入して埋めましょう。
可能であれば応募先企業と関連のあるアルバイト経歴を記入して下さい。もし関連するアルバイトを経験していなければ、あなたがやってきたアルバイトの中で代表的なアルバイトを記入します。
期間の長いアルバイトや、頑張って成果を出したアルバイトが望ましいでしょう。
アルバイト経験を書くか、はっきりと「職歴なし」と書くかは常々議論されている内容です。
勿論アルバイトを経験しているからといって、大きくプラスになったり空白期間のマイナスを帳消しにできるわけではありません。
ただ応募先の業務内容と大きく関係しているアルバイトであれば即戦力としてプラスになる可能性もあります。
少なくともアルバイト歴を書いてマイナスになることはほとんどないので、書いておくとよいでしょう。
以下のように、「アルバイト」と分かるようにはっきりと書くようにしましょう。
平成〇〇年 〇月 株式会社×× アルバイト入社
平成〇〇年 〇月 △△△ □□店 アルバイト入社
以上
履歴書の免許・資格欄の書き方
1、学歴・職歴と同様、西暦か年号で揃えましょう。
2、最初に免許を記入し、続けて資格を記入します。
3、免許や資格を記入する際は正式名称で記入して下さい。
4、取得時と現在で名称が変わっている場合は、取得時の名称で記入して下さい。
資格も職歴と同様、業務に関係する資格が望ましいですが、なにもなければ自分が取得している資格を記入しておきましょう。
「合格」と「取得」の違いは、試験に合格したものが「合格」、合格後申請を行い免許や免状などが発行されたものは「取得」と考えます。
また国家資格の場合は資格名だけで問題ありませんが、民間資格の場合は実施している団体名も記入して下さい。
車に関する免許証の正式名称
車に関する免許の正式名称は以下のようになっています。
・一種の場合(通常の車の免許 自動車と原付が運転可能)
「普通自動車運転免許 取得」
・二種の場合(旅客自動車を運転する資格)
「普通自動車第二種運転免許 取得」
・AT限定の場合
「普通自動車運転免許(AT限定)取得」
・原付・50ccバイクの場合
「原動機付自転車免許 取得」
・中免、中型バイク、自動二輪の場合
「普通自動二輪車免許 取得」
・大型バイク、大型二輪の場合
「大型自動二輪車免許 取得」
履歴書の通勤時間・扶養家族数・配偶者・配偶者の扶養義務の書き方
通勤時間の記入
1、自宅から会社への片道通勤時間を記入する
2、車、公共交通機関、徒歩など、通勤にかかった時間全ての合計を記入
通勤時間は、通勤手当に関わったり会社への通いやすさが含まれる内容ですので、企業側が重要視するポイントの1つでもあります。
通勤にあまりにも時間がかかると懸念される恐れもあります。
どうしても入社したい企業なら、出来る限り最短の時間を記入すること、場合によっては引っ越しも考えていることを記入しておくとよいでしょう。
以上でプロフィール欄の記入は終わりです。
既卒(ニート・フリーター)の履歴書 自己PRの書き方
履歴書の自己PRと志望動機は、以下を盛り込むのがポイントです。
既卒の自己PR
- 空白期間の間にやっていたこと、頑張っていたことを書く
- 働く意欲を伝える
- 自分に何ができるか、企業にどのように貢献できるかをアピールする
- 経験や考えを応募先企業と関連させる
- ブランクの言い訳は書かなくてもよい
空白期間の間にやっていたこと。企業にどう貢献できるか。
学校卒業から今までの空白期間中にどんなことをしてきたのか、情熱をかけたものをアピールしましょう。
夢を追いかけていた人はそれを書いてもよいですし、努力したことがあればそれでも構いません。
仕事と関係のある内容やアルバイトなら、それも大きなアピールに繋がります。
自己PRと志望動機のポイントは応募した会社の業務内容と関連性をつくることなのです。
例えば、営業職を志望しており販売のアルバイト経験しかなかったとします。
ただお客さんに評判が高く多くのリピーターを作っていたという成果があれば、コミュニケーション能力が高いことが示せるので、営業職へのアピールに繋がります。
要は、いかに現職の仕事に関連させることができるかなのです。
つまり履歴書のプロフィール部分はある程度固定ですが、自己PRや志望動機は企業に合わせて書きかえる必要があります。
無職期間の理由は履歴書に書くべき?詐称・嘘・言い訳について
ブランクがある方は、とにかくブランクを隠そうとするあまり、時系列で履歴書を並べずに、嘘や言い訳を書きすぎ、逆に見ずらい書類を作ってしまいます。
その結果書類が通過しないことも多くあるのです。
ですからブランクの理由をあえて履歴書・職務経歴書に書く必要はありません。
質問を受けた際に面接官の目を見て、ブランクの理由をしっかり話すことができれば、それが一番説得力があるのです。
当然ブランクをごまかして記載することはNGです。
採用まではごまかせても入社後の社会保険や源泉徴収票でバレますし、経歴詐称という理由で内定取り消しになることもあるので注意してください。
既卒のタイプ別自己PR
例1 フリーターをしていて空白期間が長い場合
就活を一切せずにアルバイト生活やニート生活を送っていた方。
その時間で何か人に誇れるものや、努力したこと、考えたことはありませんか?
フリーターだからといって自己PRできるものが何もないと考えるのは間違いです。
アルバイト先でのエピソードを交えながら、働くことの喜びや苦労・経験したこと、学んだスキルや知識、新しい働き方を志望する理由、応募企業への適用度をアピールしましょう。
例2 目標の仕事に就けず空白期間が長い場合
目当ての仕事に就けず転職活動が長引いてまった方、資格の勉強をしていた方、夢を追っていた方。結果は出なかったとしても、その活動で学んだことや仕事に役立つことはありませんか?
例えば翻訳家の仕事を目指し、TOEIC900点以上を目指していたが後1歩届かず就職できなかった。ただこの語学力は外資系への就職には十分役立つ能力です。
また、例え他職種への就職であったとしても、それだけのスコアを持っているのですから、あなたが一生懸命努力する性格であることや能力の高さがうかがえます。
そのような場合、「TOEICスコア取得やxx資格取得のため勉強に励み、成果が出てから転職活動を始めた」などポジティヴな理由で語りましょう。
例3 病気や怪我などで長期療養をしていた場合
この場合企業側は、入社してもすぐに体調を悪くして休職・退職してしまうのではないかと心配します。まずは、すでにご自身が回復している旨を強調して伝えましょう。
次にポジティブに変換します。その休養中に学んだことや考えたことを話すとよいでしょう。
ただくれぐれも今は回復しているということを強調するのを忘れないようしましょう。
例4 ご家族の介護
この場合企業側は、入社してもすぐに介護休暇を取られてしまうのではないかと心配します。
面談では他に介護をしてくれるご家族がいることや、施設にお世話になっていることなど、業務に支障がないことをアピールをすることで企業側の不安を払拭できます。
またその時に得た経験が仕事でどのように生かせるか考え伝えてみましょう。
書類選考が通らない人は履歴書の見直しを
履歴書作成について見ていただきました。
既卒が最適な履歴書を作成する為には、書き方の基本をまずしっかりおさえ、自己PRや志望動機欄に熱のあるアピールを書くことが肝心です。
いつも書類選考で落ちてしまう方は、空白期間に理由があるからではなく、このような基本的なことができていない可能性もあります。もう一度自身の履歴書を見直し書き直してみましょう。
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仕事紹介から企業との給与交渉なども全てやってくれるのでおすすめです。
フリーターの転職エージェント利用法
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