「今まで正社員として働いたことがなく人付き合いも苦手なので不安」
「もし正社員になれたとして、仕事をこなせるのか、また周りと上手くやっていけるのが自信がない」
一度も働いたことがないと、正社員って敷居が高く感じますよね。
今さら正社員になれるのか不安でしたし、仮になれたとして、ニートがいきなり業務をこなすことが出来るのか、また周りに馴染むことができるのか、とても不安でした。
そこで今回は、34歳まで一度も仕事をしたことがなかった仲間さんに、2年間会社で働いた体験談をお話してもらいました。
ニート職歴なしの就活 就職サイトVSハローワークVS転職エージェント
「職歴なしから、どうやって就活をすればいいのか分からない。というか、既卒はどんな仕事に就けるの?」 「転職サイト・ハローワーク・転職エージェント色んな媒体があるけど、ニートはどれが利用できて、どれを利 ...
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33歳までのニート生活と、半年間の就職活動
それまでの人生で仕事をしたのはアルバイト1年間のみで、正社員職歴なしです。
ニートだった頃について
今の会社に入社する34歳まで、正社員職としても契約社員としても一度も働いたことがありませんでした。
20歳から34歳までの間でやった仕事といえばネットカフェのアルバイト経験1年のみ。それ以外の時間は、自宅で趣味に没頭していました。
友達もあまりいなかったので、外に出ることはほとんどありませんでした。
とは言っても家族とは話していたし、必要であれば外出もしていたので、引きこもっていたわけではありません。ただ自宅にいるのは多かったので引きこもり状態ですね。
アルバイトもしていないので、収入がありません。食事代や衣類など、生活に必要なものは全て両親に出してもらっていました。悪いなと思っていたので、いつかは返そうと家族への借金ノートを書いていたこともありましたが、長続きしませんでした。
典型的な甘えたニートだったと思います。
就職しようと思った転機
ある日の夜中、寝つけないでモゾモゾしていると、ふと将来の生活が「リアル」に想像できてしまいました。
親の老後のこと。お金のこと。自身の今後の生活のこと。
ニート経験者なら同意してくれると思いますが、いくら両親や偉い人に「このままじゃ将来駄目になるぞ」と言われても、一切心に響かないんです。
もちろん「なんとなく将来やばいかもなぁ」なんてことは分かります。でもそれに対し現実味がないんです。
今のままじゃ駄目なんてことは頭では分かっているんです。しかしそれにリアリティを感じることができないんです。
ただこの日は違いました。夜中に天井の豆電球を見つめながら、将来がリアルに想像できてしまったんです。
親はいつか亡くなること。その時自分は一人で生活すること。
今は一人でも寂しいという感情は全くないが、それはひとつ屋根の下に家族がいるからであって、本当の一人になってしまったら寂しさでたまらなくなること。
そして誰かに助けを求めようと外に出ても、その時には誰もいないこと。
生活するためには、怖いけど働かないといけないこと。今ならまだ間に合うかもしれないけど、時間が経てば経つほど、働きにくくなること。
こんなことを想像してしまい、涙がとまらなくなりました。そして、次の日すぐに就職を決心しました。
「ニートから正社員は無理じゃない」半年の就活
ただネットで何年もかかったという人も見ていたので、思ってたよりすぐに就職できたという印象です。
働くのが怖いと思っていましたが、決心してからは活発に行動しました。
翌日にはハローワークに行き求人募集を調べ、転職サイトにも登録し、履歴書をたくさん書き、とにかく応募しまくりました。
そして半年ほどで就職先が決まります。
仕事は製造業の仕事。面接を終えると「来週から来てください」と言われ、心底喜びました。
「ニートから正社員になるのは無理」という声もありますが、嘘だったんだと分かりました。
フリーターにおすすめの転職媒体
ニートが正社員になって2年が経ちました 就職後の体験談
就職してからどうなったのか、またニートに出戻りしているんじゃないか等、その後のことがほとんど書かれていません。
ここからは仲間さんのその後2年間を見ていきましょう。
最初の2ヶ月の苦労
毎朝5時に起き、夕方は17時までの仕事。日々の残業もつきものです。
これだけでも相当ハードですが、重いものを持ったり、休憩時間をカットして働いたりで、家に帰る頃にはフラフラになっていました。
ご飯を食べたらすぐに寝てしまい、次の日にはまた仕事。そんな生活を週5回、場合によっては週6回です。
しかも元々コミュ力がないので、同僚とのコミュニケーションもうまくいきませんでした。
直属の上司はとても優しい方だったので、丁寧に仕事を教えてもらいましたが、他の上司や同僚とは何を話していいか分からず、挨拶くらいしか接することができませんでした。
けれども「就職して良かったな」と感じた部分もありました。
「仕事をしている」という免罪符を手に入れたので、精神的にとても安定したことです。
ニートだった頃は、どこか罪悪感を背負いながら暮らしていましたが、自分で稼ぎ、家にお金もいれました。自分の金で生活しているので、誰にも文句を言われる筋合いがありません。
体力的にはしんどいけど、なんとかやれそうと確信した2ヶ月間でもありました。
就職から3ヶ月後
今まで分からなかったことが見えてき、自分が何を求められているのかも分かるようになりました。
仕事で迷惑をかけることも少なくなり、苦痛を感じる時間も徐々に減っていきました。
また少しずつですが周りともコミュニケーションを交わせるようになり、居心地が良い空間ができてきました。この人嫌だなぁ・・・と思う人もいましたが、それはどこでもありそうですしね。
3ヶ月で「仕事が楽しい」と感じることはなくとも、何もしていなかった時代より充実感を得ることができました。
就職から半年
仕事には慣れたものの、ルーチンワークに飽き始め、疲れも溜まり、何度か「仕事を辞めようかな・・・」と考えるようになりました。
しかし仕事を辞めてしまったら元通り。
仮に転職をしても、再び1から仕事を覚えなければなりません。せっかく会社に慣れてきたのですから嫌々ながらも今の現状を受け入れます。
一方この頃には、仕事仲間ともうまくやっていけるようにもなりました。
「ニート」だった自分に引け目を感じていたんですが、いざ会社に入社してみると、自分からそのことを告げない限り、バレることはありません。
バレたところで馬鹿にするような人も周りにはいなかったと思います。良い意味でも悪い意味でも、他人がどんな人生を送っていようが、案外人は興味ないんだなぁと感じました。
だから引け目を感じる必要は一切ありません。入社してしまえば、先輩後輩はあるものの、皆同じ社員。
会社から選ばれて働いているのだから、与えられている仕事さえこなせば、気にする必要なんてないと実感しました。
就職から2年
主任と言っても1人で全てを受け持っている訳ではありません。
何人かいる主任の内の1人に過ぎませんが、それでも会社に認められたことに自分の存在意義を感じるようになりました。
また仕事仲間から紹介された女の子と付き合うようになり、公私ともに充実した人生を送っています。
勇気をだして就職して本当によかったと思っています。
今無職の自分にアドバイスするなら
ただ今よりは楽になると思うので、1歩の勇気を出してほしいです。
今の僕は案外上手くやることができました。ただ昔の僕や、ニート全ての人がこんな順風満帆にいくかは正直分かりません。
何回も挫折して、転職を繰り返すかもしれません。僕にだってその可能性は十分にあったのです。
高校デビューなんて言葉がありますが、僕は社会人デビューが上手くできただけと思っています。
でも、職歴がなくてもニートでも、「世間で言われている人並みの人生」を取り戻すのは可能と分かりました。
今は「正社員なんて絶対無理!」と、想像でとてつもなく大きい壁のように感じてるかもしれないけど、想像しているより案外低いです。
というか今よりはきっと楽ですよ?
だから1歩の勇気を出してみよう。失敗したらしたで考えたらいいと思います。