木下と井上。この2人は「経歴」も「スキル」もほぼ同条件。同じ時期に正社員就活を始めました。
しかし就職活動の仕方や利用した媒体はそれぞれ違います。
全く同じ条件の2人が、それぞれ違うやり方で就活をした場合、結果はどれくらい変わるのか。どのように就活をすれば、より早く、より好条件の企業に就職することができるのか。
今回から数回に渡り、それらを徹底比較していきます。
どちらの就職活動があなたに合っているかはわかりませんが、少しでも参考になれば幸いです。
まずは二人のプロフィール。そして就活を始めてから1週間目の出来事を見ていきましょう。
30歳フリーター・28歳ニート 就活の決心
木下は大学在学中に映像制作を始め、プロになるため大学卒業後も就職せずに、その道1本で活動をしていました。将来の夢は映画監督になることです。
井上は中学卒業後からバンド活動を行っており、プロのミュージシャンになるためバンド活動を行っていました。
夢破れ就活の道へ進む2人
夢を追いかけ本気で売れるつもりで活動していた2人でしたが、気が付けば30歳と28歳。
家の事や周りの事など、自身が置かれている状況を考えると、夢を追いかけるのが許される年齢ではなくなりました。(同じ年齢でも環境によっては許される人はいます。そういった方は「売れなくても後悔はしない」という覚悟が出来てると思うので、年齢に関わらず夢を追い続ける事も一つの道だと思います。)
そこで二人して就職活動を行う事を決心します。働く事が嫌いな訳ではなかったので、就活する事、そして正社員になる事に対しては二人とも楽観的です。
すぐにバリバリと仕事をこなすつもりでいました。
「働きたくても働けない」現実を知る2人
就活に意気込む2人でしたが現実はそう甘くありませんでした。
そもそも働きたくても働く事ができないのです。
どれだけ志しが高くても世間から見れば「30歳職歴なしフリーター」「28歳中卒ニート」。そんな経歴の人物を、普通の企業はまず雇ってくれません。
自分達からすれば「活動していた!」「夢を追っていた!」というもっともらしい理由がありますが、世間からは「言い訳」「遊んでいた」「甘い」「働く意思がない」としか捉えられません。
夢を達成する為にどれだけ一生懸命頑張っていたとしても一切免罪符にはならず、そのようなレッテルを貼られます。
勿論これは創作活動やバンド活動だけに限りません。
資格取得を目指していた人、精神的にまいってひきこもってしまった人、転職活動がうまくいかなかった人、皆それぞれに闘い理由がありますが、どんな理由があろうと世間では通用しません。
残酷なことですが、日本では経歴の空白期間を一つのペナルティとするのです。
すぐに就職して一生懸命働こうと思っていた2人は、ここから長い間就活で苦労することになります。
しかしアラサーにして初めて就職活動をする世間知らずの2人は、まだこの時その大変さに気付いていませんでした。
就職活動始めの1週間
ではここから2人の就活、第1週目を見ていきましょう。
2人はそもそも就活の方法さえ分かっていませんでした。
そこで井上は、会社のHPなら求人募集が掲載されている筈と考え、地元の企業ホームページを片っ端から検索し、求人募集の掲載を見つけては応募を繰り返しました。
非常に手間のかかる方法ですが、ハローワークや転職サイトなどに載っていない会社が求人募集しているケースもある為、穴場の求人を見つけることが出来たり、競争率が低めの求人に応募することが出来るので、実は有効性の高い方法でもあります。(就職サイトVSハローワークVS直接応募)
しかし応募した企業からは履歴書の空白期間を理由にお断りされてしまいます。
一方木下は、求人サイトに片っ端から登録をします。
「リクナビNEXT」「@type」「マイナビ転職」「はたらいく」「シゴト.in」などフリーター・ニートが利用できる就職サイトです。
以降、求人サイトで検索し自分に合いそうな仕事を見つけては応募、オファー(転職サイトに登録すると企業からスカウトが届くようになる)を受けたもので、自分に出来そうな仕事であれば応募を繰り返します。
こちらは極々一般的な就活と言えるでしょう。
木下は始め、新しい世界に飛び込むわくわく感もあり、テンションも比較的高く、とにかく積極的に動きました。
そして運よく、応募一通目でデスクワークの仕事に書類選考が通り、5日後に面接を受ける事となります。就職活動をすると決めて一週間目の出来事です。
職歴なし体験談比較 木下・井上