本記事は「印刷会社に14年勤めた36歳男性が、待遇悪化を機に転職を考えるが、年齢的に業界が限られないか、働きながら転職活動を進められるか知りたい」というご相談に、2名の専門家がそれぞれの立場から回答した内容です。
在職中の転職活動と退職後の転職活動の違い、36歳・氷河期世代に吹く市場の追い風、スキルの棚卸しによる即戦力アピール、退職時期を見極めて一気に勝負をつける進め方を、2名の専門家がそれぞれの立場から具体的に解説します。
他サイトやSNSの寄せ集めではなく、当サイトが独自に募集した相談内容に、現役の専門家が直接回答した一次情報です。
回答者は以下の2名です。
この記事に回答した専門家

田中
人材紹介会社で現役のキャリアアドバイザーとして勤務、業界経験4年。日々履歴書添削・面接指導を行う。自身も2度の転職経験あり。
この記事に回答した専門家

鈴木
電気技術者として講師経験を持ち、教育機関・職業訓練機関で就職活動支援を6年経験。進路アドバイザー検定の保有者。若者と企業のミスマッチに関心が深い。
ご相談内容:14年勤務・36歳からの転職について(36歳男性)
質問
36歳男です。私は某印刷会社に勤めて今年で14年目となります。
入社して5年程度は残業もあり、それなりの給料、ボーナスを頂いていたのですが、年数が経つに連れて会社の景気も悪くなり、仕事も少なくなって給料、ボーナスも若手時代より少なくなりました。
チャンスがあればもっと待遇の良い業界、会社に転職も考えているのですが、14年という勤続年数、36歳という年齢で転職となると、給料やボーナスが少ないとはいえもったいないのでは?とも言われそうだし、年齢的にも受け入れてもらえる業界は限られるのではないかな?とも思っています。
そして、今の仕事を一度退職して無職になった状態で転職活動するよりは、就職が決まらないリスクも考えてできるだけ今の仕事を続けながら転職活動をと考えていますが、平日は仕事で有給もほぼ取れないのでなかなか他社へエントリーして試験、面接を受ける機会がありません。
36歳になり、14年勤めた会社を退職してまでの他社へ転職となれば、やはり業界は限られてくるのでしょうか?
そして、今の仕事を続けながら他社の試験や面接を受ける事は難しいのでしょうか?ご教授願います。
転職アドバイザー・職業訓練講師の回答

まずは自分の目で確かめてみるために応募してみましょう。好材料もあります
転職アドバイザー 田中
仕事を続けながらの転職活動の悩み、とても辛いことと察します。
おっしゃる通り一旦退職してから転職活動を行う場合、どうしても否定的な視点で捉えられてしまうケースが多々あります。
無計画な人間ではないか、衝動的に行動してしまう人間ではないか、働く意欲はあるのか、そもそも働かなくても良い人なのではないか。
完全に退職してからの転職活動が肯定的に捉えられるケースはあまりないでしょう。
とはいえ質問者様が自らおっしゃる通り、勤務しながらの転職活動は体力的にも精神的にも負担が大きく、せっかく面接までたどり着けても時間調整がうまくいかず、その点で企業からの印象も悪くなってしまう。そんなケースもあるでしょう。
どうするべきか、悶々と悩まれている姿をお察しします。
確かに36歳という年齢は、一般的にはこれまでの職務経験を活かした仕事でなければ転職は難しいと言われています。
しかしながら、30代後半から40代前半のいわゆる「就職氷河期世代」は人手不足に陥っている職場が多く、また外的な要因としてオリンピック終了までは続くであろうとみられている好景気など、好材料もあります。
一般的な観念に囚われず、まずは自分の眼で確かめる意味でも、実際に履歴書を送って実感を得てみるところから始めてみるのはいかがでしょうか

退路を断つことを勧めるわけではありませんが、一気に勝負をつける時も
職業訓練講師・若年者就職指導 鈴木
転職は年齢を重ねるにつれ不安が増すものです。入社14年の中堅社員としての立場もあり、どのように振る舞うべきか悩むところでしょう。
まず、転職先の業種や職種についてですが、年齢や待遇面を考えると、あなたがこれまで身につけた知識や技能が活かせ、即戦力として活躍できる職場を選んだほうがよいと思います。
いま流行りの「スキルの棚卸」をして、これまでの仕事の成果とそれを支えた能力について具体的にまとめ、それらが活かせる職場を探してみましょう。
また、初めて経験する職種を選ぶ場合には、必要な資格を取得するなど、転職に対する意欲をアピールする必要もあります。
つぎに、就職活動に取り掛かる期間ですが、適性の判断をし、求人を探し、応募、試験、そして内定まで最低でも1カ月はかかります。
仕事を続けながらでは、さらに時間がかかるでしょう。場合によっては今の職場から強く慰留をされたり、引き継ぎに時間がかかったり、申し出から退職まで1カ月以上かかることも珍しくありません。
そこで、目指す仕事の目処がついた時点で、今の職場に退職を申し出て期限を決めたうえで就職活動することをお勧めします。
万一無職になっても失業給付金制度を活用することができますし、なにより退社のトラブルで再就職先に迷惑をかけることがないからです。
転職に向けての活動は、思うようなスケジュールにならないことが多くあります。
そのために焦って決めてしまったり、躊躇してチャンスを逃したりするかも知れません。
やみくもに「退路を断つ」ことを勧めるわけではありませんが、目標が見え始めたら一気に勝負をつけることも必要だと思います。
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14年務めた会社を退職
Y・W 36歳男性