「内定をもらったが、良い印象を受けなかったので辞退したい」
就活をしていると、志望企業がイメージと違ったり、他社との兼ね合いで、内定を辞退することが多くあります。
企業側の私としては非常に悩ましいですが、受験者側からすると、内定を数社から貰った上で少しでも良い条件の企業に入りたいというのは間違った考えではありません。
その一方、途中で辞退をする訳ですから、先方に嫌な思いをさせてしまうのではないか?怒られるのではないか?と心配になる方もいると思います。
今記事では、現役の人事担当者として考える「選考辞退時に守ってもらいたい事項」をお伝えします。
「角が立たない辞退のポイント」や「辞退する時の理由」「電話とメールでの辞退例文」もご紹介しますので、ぜひ参考にされて下さい。
面接後に辞退しても問題ない
最初に本音をお伝えしますと、「人事担当者としては面接後の選考辞退は非常に残念であるが、選考辞退は今の世間状況からして当たり前にある」という事です。
現在の企業の人事担当者は採用活動で苦労をしています。
従いまして、選考途中もしくは内定通知後の辞退は非常に残念です。また最初の募集から始める事になりますし、手間が掛かるのも事実です。
ただその一方で、現在の世間情勢からして、辞退は当たり前に起こる事を人事担当者は十分に理解をしているので、正直あまり驚きません。
そもそも選考途中でも内定後でも、辞退については法的に契約不履行になる事はありません。
あくまで入社前の段階ですので、企業側と受験者との信頼関係の下で進められているのが採用活動です。
安心して辞退して下さい。
辞退する時の4つのポイント
辞退をする場合には礼儀を踏まえて行ってください。世間は狭いものです。
どこかで受験企業と接点が発生する可能性もありえますので、注意をして対応してください。
その上で辞退の場合は以下の4点を守りましょう。
1.辞退連絡は早くする
選考辞退の意思が固まっているのであれば、可能な限り早く連絡をしてください。その分、人事担当は次の対応を取る事ができるからです。
必要以上に時間を掛けることで企業側の採用のタイミングが遅くなってしまいます。
社会人になると嫌な報告をするタイミングが沢山あります。
しかしながら、嫌な報告こそ早めに行う事を徹底してください。
2.電話で連絡する
社会人になると電話、メールと手段を使い分ける事が多くなります。
メールで辞退を伝える事を否定するつもりはありませんが、メールを開封するタイミングは受信者によって異なります。
資料の送付や打合せ内容確認、証拠としてメールを使う分には意味がありますが、辞退の連絡は直接口頭で謝意を伝えるのが社会人のマナーです。
受験企業の人事担当は引き止める可能性もありますし、嫌な反応をする可能性もあります。
しかしながら、そういった事も含めても電話で直接連絡をする事を心がけてください。
3.必要以上には話をしない
辞退をする場合にあまり余計な話をせずに手短に済ませる事を心掛けてください。
必要以上の謝意や感謝の言葉は逆に相手に期待を持たせかねません。
シンプルに終わらせてください。
4.辞退の理由はシンプルに。会社批判はNG
辞退理由については、あまり細かく話しをしない方がよいです。
辞退の理由を長々と話すと、結果的に受験企業の批判的な要素につながりかねません。
基本的には「他社に行く為」「給与水準があまり合わなかった為」・・・などシンプルで終わらせる方が良いです。
その上で「今まで選考でお世話になった事に感謝をしております」という気持ちを加える位が丁度良いと思います。
「何となく社風が合わない様に思えた」「事業内容がマッチしないと感じた」などは人事担当者としては納得ができません。
もっと説明をすれば理解をしてもらえるかもという期待感も出てきてしまいます。
簡単に言ってしまえば、「振るならスパッと振ってくれ!」
これが人事担当者の本音です。
内定辞退時に角が立たない電話の言い方
辞退連絡時にスムーズに伝える手順は正攻法が一番です。
1・2・3の手順で受験企業の人事担当者に連絡をしてください。
step
1
「選考の途中であるが辞退をさせてもらいたい」
まず最初に辞意を伝えてください。
いきなり本質に入るのは気が引けると思いますが、まずは「面接をしてもらって申し訳ありませんが、今後の選考を辞退させて頂きます」と結論を伝えてください。
当然の事ながら人事担当者は「えっ?」という反応をします。
step
2
「選考辞退の理由は○○です」
人事担当者は当然の事ながら「なぜですか?」という反応になりますので、選考辞退の理由を話す事になります。
ここでは前述の通り、詳細に理由を伝える事は逆効果です。
明確な意思をもって「受験中の他企業より内定をもらい、条件も自分の希望に近いからです」と伝えましょう。
辞退理由を受験中の企業の問題にしてしまうと、人事担当者としては諦めづらくなってしまいます。
従いまして、他社の内定というのが、一番諦めやすい理由となります。
step
3
「選考の途中ではお世話になりました」
この締めくくりが重要かつ難しいポイントになります。
結果的には辞退するので、何を言っても納得はしてもらえませんが、受験中に面談や選考を行った人事担当者に対して感謝の気持ちを伝えてください。
「○○さんには受験中色々と世話になり感謝をしています。途中辞退となり申し訳ありません」と最後に感謝の言葉がありませんと、人事担当者としてはやり切れません。
内定辞退時に角が立たないメールの例文
前提としては前述の通り、メールでの辞退連絡はあまりお勧めしません。
しかしながら人事担当者が多忙につき連絡もメールでお願いされる様な場合については、メールも手段としては必要でしょう。
文章の構成としては電話と同様で、「1.辞退をする事」「2.辞退理由」「3.担当者への感謝」の3点で組み立ててもらえれば結構です。
メールの例文
①件名
「内定辞退のご連絡 木村」
②本文
△△株式会社 石田様(採用担当者様)
お世話になっております。
12月13日に貴社で面接を受けさせていただいた木村義一です。
先ほどお電話させていただきましたが、ご多忙のようでしたので、メールにて連絡失礼いたします。
この度は内定のご連絡をいただき誠にありがとうございます。
嬉しい結果をいただきながら誠に恐縮ですが、他社からも内定をいただき、慎重に検討した結果、貴社の内定を辞退させていただきたくご連絡を差し上げました。
貴重なお時間を割いていただいたにも関わらず、このような結果となり大変申し訳ありません。
何卒、ご理解ご容赦下さいますようお願いします。
面接を担当いただいた石田様、ならびに採用を担当してくださった皆さまには大変感謝しております。
貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
木村義一
ハローワーク経由での辞退は、企業とハローワークの担当者に連絡
ハローワークからの紹介で受験をした企業を辞退する場合においても、辞退の連絡は受験企業に行ってください。
ハローワークはあくまで紹介を行っているだけです。まず優先されるべきは受験をした企業に対する連絡です。
受験企業の連絡の後にハローワークに訪れる機会があれば、辞退をした旨を伝えれば結構です。
ただ、遅くなっても構いませんのでハローワークの担当者にも辞退をした事をきちんと伝える事が社会人としてのマナーです。
職を探す中で色々と手助けをしてもらう方達です。引き続きお世話になる可能性もありますので、その辺りを踏まえて対応をしてください。