「アットホームな職場です」とアピールしている企業の実情は「楽しく働きがいのある人間関係良好な会社の場合」と「なぁなぁでプライベートの時間がないブラックな会社の場合」の2種類に分かれます。
またアピールすることがないブラック企業が、「アットホームな職場です」というテンプレート文面を使用していることも多いので注意が必要です。
「アットホームな職場です!」
「慣れればラクラク!」
「プライベートも充実!」
転職サイトやハローワークには、企業の求人広告がたくさん掲載されています。
文章の書き方や使用している写真など、企業によって個性があり、実に面白いもの。
「あなたのスキルを生かせる!」といったオーソドックスな求人から、「そう。私がこの会社を始める事になったのは10年前の事だった。」と、小説でも始まるのかという語りを載せる企業まであります。
ただ、就職活動の求人広告には「この文面を見たら気をつけろ!」というNGワードが存在しているのをご存知でしょうか?
冒頭で挙げた3つのワードもそうですが、これらのワードは「ブラック企業」や「何かしら問題を抱えている会社」がよく使う「常套句ワード」であり、それが書かれていたら注意が必要です。
今記事では転職コンサルタントが、「アットホームな職場です」と記載している企業の実情、良い例と悪い例についてお話させていただきます。「その他のNGワード代表例」も挙げているので参考にされて下さい。
「アットホームな明るい職場です」とはどういう意味?書いている企業の実情
「アットホームな明るい職場です」とは、社員同士が仲がよく、フレンドリーで雰囲気が明るく、働きやすい職場のことを表します。また、堅苦しい雰囲気がなく、社員が自由に意見を出し合える風通しの良い職場を指すこともあります。
「アットホームな職場です」とアピールしている企業は多いです。
しかし実際に入社すると、「楽しく働きがいのある良い会社」の場合と、「なぁなぁでプライベートの時間がない悪い会社」の場合の2種類に分かれます。
「アットホームな職場です」のメリット|良い会社の場合
「アットホームな職場」良い会社の場合
- 人間関係良好
- 同僚や上司に相談しやすい
- 上下関係が厳しくない
- 新人でも意見が通りやすい
- ハマったら楽しい職場
- ストレスフリー
良い会社が使用する「アットホームな職場」は、人間関係が良好です。
同僚や上司との関係が、本当の家族のような濃い繋がりとなるので、相談がしやすく、意見も通りやすいです。
その結果、対人関係でのストレスなく働けます。
アットホームな職場を売りにしている企業に、求職者の方を紹介したこともありますが、皆さん口を揃えて仰るのが「ハマったら楽しい職場」という意見。
すでに完成された家族の中に、新しい家族の一員として入社するので、最初は疎外感がありますが、うまくハマれば楽しい職場になります。
「アットホームな職場です」のデメリット|ブラック企業の場合
「アットホームな職場」悪い会社の場合
- 完成された人間関係の為に浮く
- 仕事がなぁなぁになる
- いつ倒産するか分からない
- 他にアピールすることがない
- プライベートの時間が少ない(残業・社員旅行・飲み会など)
- ブラック企業
悪い会社が使用する「アットホームな職場」は、「プライベートがない」「倒産の可能性がある」=ブラック企業の可能性です。
前述の通り、完成された家族の中に一人で飛び込むのですから、上手くハマらない場合浮いてしまう可能性があります。
注意
「会社や周りのことを一番に思え」という気持ちが強いので、サービス残業は当たり前。社員旅行や終業後の飲み会などの行事にも、半強制的に参加させられ、プライベートな時間がほとんど無いケースもあります。
他にも「アットホームな会社=小さな会社」の可能性が高く、いつ倒産するか分からない不安と戦わなければなりません。
結果的にアピールする所がないブラック企業が「アットホームな職場です」という文面で逃げることも多いのです。
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その他の求人広告のNGワード。この求人には気をつけろ!
転職求人NGワード例
- 風通りの良い職場・自由な社風です
- 経験不問・未経験歓迎
- 年収700万以上可能!
- ノルマなし!
- 軽負担で高収入!
- 若い仲間が活躍中です
- BBQなど定期的に開催しています
- にぎやかな職場です
「風通しの良い職場です」「自由な社風です」
風通しの良い職場と聞くと、「社員同士がオープンにコミュニケーションをとっている」「先輩後輩関係なく意見を言い合える」「情報共有が活発」と、心地よい会社のように感じます。
意見が自由に出し合えるため、新しいアイデアや改善点が生まれやすいですし、社員が自分の仕事についてより詳しく知ることができ、業務効率も上がるでしょう。
注意
また「自由」というと聞こえは良いですが、規制も緩いので秩序が保ててないこともありますし、意見の対立が激しくなり、人間関係に悪影響を及ぼす場合もあるでしょう。
またプライベートな情報まで過剰に共有される恐れもあります。
そのような仕事場ですから、社員への目が行き届かず、揉め事は多く生産性低下にも繋がります。
☆「経験不問、未経験大歓迎」「ブランクがある方も歓迎」「わけありの方歓迎」
どの業界も、中途採用は経験者を募るもの。どうせ同じお金を払うなら、スキルやキャリアを持ってるいる人物を雇いたいからです。
その上で「経験不問、未経験者大歓迎」と書いているのですから、深刻な人手不足の可能性が高いです。
ポイント
入社後に長時間の残業や休日出勤などが求められる可能性がありますし、業務の多さや難易度が高く業務に慣れるのに時間がかかる可能性もあるでしょう。また給与が安い、賞与がない場合もあります。
良い会社なら誰も辞めないので、人手不足=労働環境が悪いとも言えます。
☆「月50万以上可能!年収700万以上可能」
初任給から給料が高額な場合は、長時間労働や激務を押し当てる会社です。また理論上は可能でも、体力的に不可能という完全歩合制のケースもあります。
もちろん、募集対象が経験者であれば、まともな求人ですが、過剰な待遇を謳いすぎる求人は、求職者を騙すための手口として使われることがあるため注意が必要です。
☆「ノルマなし!」「年収300〜700万」
「ノルマなし!」と書かれていた場合も完全歩合制の可能性があります。営業職については、基本的にノルマが存在し、入社した段階でノルマ達成が期待される暗黙の了解があります。
注意
また年収300万〜700万と、幅が広すぎる求人も注意が必要です。
☆「軽負担で高収入!」
「軽負担で高収入」。このように聞くと、とても魅力的です。しかしもし本当にそんな仕事があるのなら、誰も辞めることはないでしょう。超人気求人となり応募も常に殺到するので、求人募集する必要もないハズです。
この手の企業は「ある期間は、比較的楽」「ある期間は、かなりの激務」と、季節によって仕事内容が異なり、良い方だけを言ってる場合が多いです。
ポイント
求人広告には、魅力的な条件や待遇が記載されていることがありますが、その裏にはリスクや過剰な期待があることもあります。そのため、求人広告を見るだけでなく、実際に面接や企業説明会などで詳細を確認することも重要です。
求人票は嘘だらけ?「残業なし・高収入・休日数」表記と嘘の見分け方
「正社員と聞いていたのに、入社したら契約社員だった」 「月給30万以上可能と聞いていたのに、毎月18万しかない」 「給料20万円(月20時間の残業代を含む)と書いていたが、実際は毎日5時間残業。超過分 ...
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「若い仲間が活躍中です」
「若い仲間が活躍中」なのは、「仕事が続かない者が多い、入れ替わりが激しい」ということですから、離職率が高い仕事です。
もしくは新設したばかりの会社で、会社自体の歴が短い場合もあるでしょう。どちらにせよ不安定な職場と言えます。
注意
求職者自身のキャリアアップにとって最適な採用先を選ぶために、十分な情報収集を行い、慎重に判断することが必要です。
「遊びにも全力で取り組む」「BBQなど定期的に開催しています」
アットホームな職場と同様、社員同士の仲が良いこと、イベントが多いことをアピールする企業です。これらのイベントに参加しない社員が不利益を被ることもあるため、半ば強制的に参加しなければいけなくなりプライベートな時間がなくなる場合もあるでしょう。
またチームが出来上がりすぎており、馴染みにくい可能性もあります。
会社がBBQなどのイベントを開催すること自体は悪いことではありませんが、それが義務化され、過剰に強調されている場合は注意が必要です。
「にぎやかな職場です」
企業の人事の方に、「にぎやかな職場」とはどういう意味ですか?と尋ねたことがあります。
すると涼しい顔で「怒声が飛び交ってる職場です」と仰られました。
本人は冗談のつもりかもしれませんが、実際にそのようなケースもあります。
「女性が活躍中」
現在では、求人募集に性別を記載するのは難しいので、「女性が活躍中」という遠まわしな表現方法を使用します。
このように書かれていた場合、女性のみを募集していることが多く、男性が応募しても不採用になるケースが多いです。
求人票の文面だけで神経質になる必要はない
転職求人のNGワードを見てきましたが、結局これらは言葉にすぎません。
もし上記で取り上げたワードが問題ありとするなら、世の求人の9割は問題ありの会社になってしまいます。
ポイント
本当に素晴らしい企業が、たまたまそういう文面を使っている場合も十分あるので、確率論くらいに捉えてください。(☆部分に限っては問題ありの比率が高いので、より注意が必要です)
それよりも、転職会議のような口コミサイトに登録して実際に勤めていた人の意見を読んでみる方がよほど有益でしょう。
また勤めていた人にとっては地雷の会社だったとしても、あなたにとっては天職の可能性もあります。企業の内情は面接を受けてみないと分からないので、求人票だけに惑わされる必要はありません。
転職エージェントに相談して怪しい企業かどうか、実情を教えてもらうこともできるので、ぜひ有効活用されてください。
転職エージェントの比較とおすすめ
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よくある質問
「アットホームな職場です」とはどういう意味ですか?
「アットホームな職場です」とは、社員同士が仲がよく、フレンドリーで雰囲気が明るく、働きやすい職場のことを表します。また、堅苦しい雰囲気がなく、社員が自由に意見を出し合える風通しの良い職場を指すこともあります。
求人票に「アットホームな職場です」と書かれていたら注意が必要?
「楽しく働きがいのある人間関係良好な会社の場合」と「なぁなぁでプライベートの時間がないブラックな会社の場合」の2種類に分かれます。またアピールすることがないブラック企業が、テンプレート文面を使用していることも多いので注意が必要です。
求人票の地雷ワード・NGワードは何ですか?
「風通りの良い職場・自由な社風です」「経験不問・未経験歓迎」「ノルマなし!」「軽負担で高収入!」「若い仲間が活躍中です。BBQなど定期的に開催しています」「にぎやかな職場です」などは注意です。
求人票の文面から怪しい会社か分かりますか?
文面からは判断がつきません。口コミを見たり実際に会社を見てみる方が有益でしょう。