今回は障害者手帳を取得し障害者枠での就業をされた西田さん(仮名)に体験談を書いていただきました。
障害者手帳の取得と就業
通常の勤務であれば服用と通院で安定した仕事が出来るものの、運転や水泳指導の様な一部制約のある仕事に就けないという事もあり、転職をしていくうえで“疾患”という事をクローズにしていくことが出来ない状態にありました。
障害者手帳を取得するという事に抵抗があり、今まではクローズで転職活動を行ってきましたが、3年もの間に転職回数が多くなりすぎたことが問題となりました。企業から「長く働くことが出来ない人材なのではないか」という結論に達してしまうのです。
また就業後に「その仕事はできません」といった場合に、虚偽報告で解雇となった事例や、内定取り消しとなった事例があるという事も医師からお伺いしました。
それらを考慮した上で、障害者手帳を取得して障害者枠での就業をする方が良いのではないかとのアドバイスを頂き手帳を取得。その後、転職活動を再開することとしました。1つはハローワークを通じた障害者枠での募集。もう1つは民間企業のエージェントを活用した転職会社への登録です。
しかし、障害者雇用に対する転職活動も倍率が激しく、最低賃金制度が適用されないことから、とても1人生活できる収入を得られる企業は少ないという結論に達しました。(年収132万~等)
条件が良い年収(270万位)であれば倍率は70倍近くになり、書類選考を通過するのも難しい現状でした。
障害者雇用の対応
現在働いている企業はハローワーク経由の障害者雇用での就職になります。
ハローワーク求人の中では待遇面が比較的よく、契約社員ではあったものの大手企業であったことを踏まえ、現在の会社を選びました。しかし条件提示が入社式当日までされないという事で、交渉はしましたが条件提示は入社日当日に判明しました。
求人媒体には「正社員雇用制度あり」「契約は原則更新」「賞与あり」「退職金制度あり」との記載がありました。しかし、契約は半年更新のMAX3年。そこで正社員になれるか解雇になるかは会社の業績や本人の問題もあるので確約はできない。そして今までで1人も正社員になった者はいないとの事でした。
また賞与についてはMAX5万が年2回で業績によっては支給されない年もある。退職金は1年勤続で1万円(3年働いても3万円)。しかも昇給はなしとの事でした。
しかし入社日に提示されている事と、前例がないだけで可能性がないわけではないと思い契約書を交わしました。また、総務で勤続2年働くことが出来れば「衛生管理士の受験資格」が得られることからこのまま働こうと思っていました。
しかし入社3か月の試用期間を過ぎた時点で部署の異動、別部署の庶務となりました。人事総務と異動先の統括部長と部長以外は病気の事も当然知らない状態で、かつ一般社員と同等の働きを求められます。
直接雇用というだけで協力会社社員や派遣社員の給与計算にも関与をしており、自分の年収と比較しても圧倒的に良い事やフレックス制度を利用して出社が遅かったり早く帰ったりという事がある中、障害者枠で採用されている私ともう1名にはその制度はありませんでした。
12月30日は15時からグループ会社の納会という事でグループ会社が集まり納会を行いましたが、フレックスが適用される社員は参加でき、適用されない派遣社員は定時まで働くという差別と思えるような状況でした。
まとめ
障害者枠という事で、通院や病気に対する理解はある程度して頂けますが、一般の社員と比較をしてしまうとどうしてもいろいろな待遇面でデメリットの方が多いと感じました。
仕事がなかったので、焦っていて物事をしっかりと考えられないという事もありましたが今回の契約期間が終了する前に(半年以内に)条件をしっかりと絞り込み転職活動を行います。
ハローワーク経由だとやはり内部事情について聞くことが難しい為、エージェントを利用して転職活動を行います。